しかし、いざ始めようとしてもやり方がわからない、まとまった時間もない。何かと理由をつけて、つい諦めがちな「断捨離」を成功させるには、どうしたらいいのだろうか。
まずはたった5分でできる断捨離から始めてみよう──。そう話すのは、断捨離提唱者として知られるやましたひでこ氏だ。
その心構えや具体的な方法について、『1日5分からの断捨離〜モノが減ると、時間が増える』(大和書房)から一部抜粋して、紹介しよう(第1回/全3回)。
苦しい時こそ、断捨離
ごきげんさまです。断捨離のやましたひでこです。
新型コロナウイルス感染症による外出の自粛で「コロナ断捨離」という言葉をあちらこちらで聞くようになりました。図らずも、家で過ごす時間が増えた私たちにとって、断捨離の絶好の機会が訪れたのです。
あなたがこれを読んでいる今、コロナ禍といわれる社会の状況がどうなっているかはわかりません。
ただ1ついえることは、籠城(ろうじょう)生活(家にとどまることを私はこう呼んでいます)を促されている状況だとしても、あるいは自由に外出できる喜びを謳歌しているとしても、「断捨離をする・しない」では、あなたの人生にとって天と地の差があるということ。
住空間が心の状態をつくり、身体の状態をつくり、あなた自身の人生をつくっていくからです。家で過ごす時間を有意義にしていくためには、清浄な室内、爽快な室内、明快な室内にいてこそ価値があります。
ところが残念なことに、たいていの家は窮屈で閉塞感がいっぱい。不必要なモノが跋扈(ばっこ)して、人の身の置きどころが狭められているのが実情です。しかも、そこには収納家具が置かれ、限られた空間をさらに狭くしています。
籠城生活ともなれば、そんな状態の家に、仕事で家を空けることの多かった夫が、塾やお稽古で忙しかった子どもたちがずっといるのです。
高い密度で狭い生活時空間を共にすると、どうなるか。言うまでもなく、そこにはストレスフルな家族関係、夫婦関係、親子関係が生まれることになります。
私たちは、家族一緒に過ごしたいときと場合もあれば、1人で誰気兼ねすることなく過ごしたいときと場合もあります。それは私たちの自然なあたりまえの欲求です。けれど、この欲求がついえてしまったとしたら──。
事実、私のもとには、ストレスをため込んだ妻たちの愚痴、不平不満、相談が次々と寄せられました。