テクノロジー

2021.01.25 17:00

Apple Watchユーザーを心疾患から守るアプリ、日本でも利用可能に

いよいよ日本でもApple Watchの心疾患予防のためのアプリと機能が使えるようになる(写真=山本 敦)


近く予定されている次期OSのアップデートを済ませると、iOS標準のヘルスケアアプリに並ぶ「心電図(ECG)」の機能がアクティベートされる。新機能の正しい使い方は同じアプリ内に詳しいガイダンスが用意される。
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心臓の状態を手元で測定、PDFで出力も


不規則な心拍の通知機能は、Apple Watchの光学式心拍センサーが様々なタスクのバックグラウンドで動きながら、常時ユーザーの脈拍の状態を観察。心房細動の兆候が見られた時に通知を飛ばすというものだ。計測はユーザーが手首にApple Watchを装着して、腕を動かさず静かにしている時に自動で行われる。最低でも65分以上の時間をかけて、5回心拍を計測する。

ここでひとつ説明を加えておきたいことがある。Apple Watchが検知できるのは発作性の心房細動の兆候であり、ほかの様々な心臓発作には対応していないということだ。その理由について、アップルのヘルスケア担当バイスプレジデントであるサンブル・デサイ博士は以下のように説明している。

「病気の兆候の検知にはとてもたくさんの情報が必要な場合がある。Apple Watchと不規則な心拍の通知機能、心電図アプリケーションでは“大きなパズルの一片”になるような情報を記録、活用できるようにしている。心房細動についてはふたつの機能により、兆候の検知に必要なパズルの情報を提供することが可能だ。大変複雑なのだが、他の異なる病気の兆候を検知するためにはApple Watchや心電図アプリケーションで提供できる枠を超えた情報が必要になってくる」
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(左)不規則な心拍の通知は心房細動の予兆観測に特化した機能だ。(右)心拍の乱れが検知されると通知が届く

心電図アプリは、対応するApple Watchの背面クリスタルとDigital Crownに組み込まれている電極を使って心臓を通過する電気信号を計測するという仕組みだ。使い方は、Apple Watchの心電図アプリを起動して、Digital Crownに指を乗せて電気信号を記録する。測定はおよそ30秒間で完了する。


心電図はApple Watch Series 6/5/4に対応するアプリ。ウォッチを手首の肌に密着させた状態でアプリを起動、Digital Crownに指を添えて計測を行う。

結果は心拍リズムが正常であることを示す「洞調律」ほか、「心房細動」「高心拍」「低心拍」の症状が見られた場合はこれが記録される。何らかの理由により「測定不能」だった場合を含めて分類されたステータスが記録され、iPhoneのヘルスケアアプリに時系列で残る。データはPDFファイルとして出力もできる。


計測結果はすぐにApple Watchの画面に表示されるほか、iPhoneのヘルスケアアプリにPDF出力もできるデータが残る
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文=山本 敦

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