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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

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子どもの読解力不足が指摘されている昨今、「自分の子どもには読解力を高めてもらいたい」と考え、小さいころからの「読み聞かせ」に力を入れている保護者も多いだろう。

しかし、その「読み聞かせ」のやり方が間違っていれば、どれほど多くの絵本を読んでも読解力を高める効果は上がらないと言うのは、ハーバード大学で「子どもとことば」を研究してきた加藤映子氏だ。

読解力だけでなく、「考える力」「伝える力」が飛躍的にアップするという読み聞かせのメソッドについて聞いた。


読書量が多いのに読解力が低い子ども


2019年12月にOECD(経済協力開発機構)が公表した、国際学習到達度調査(PISA)で、日本の子どもの「読解力」が前回調査の8位から15位に大幅に順位を落とした、というニュースが大きな話題になったことは記憶に新しいと思います。

また、新井紀子先生の『AIvs教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)も大ベストセラーになりました。

このように、いまの日本では子どもたちの「読解力」をいかに高めるかが急務です。そのため、「読解力を高めるためには小さなころから本に親しんでいないといけない(だから読み聞かせを通じて本の世界を知ってもらうことが重要なんだ)」という主張をたまに耳にします。

ここでひとつ興味深いデータを紹介しましょう。ベネッセ教育総合研究所が2006年に発表したレポートで、「読書量と読解力は比例しない」ことを示したものです。

小学5年生と中学2年生を対象にした、「最近1カ月の読書量」と「読解力スコア」の関係を示すグラフを次ページに抜粋しましたのでご覧ください。

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どうでしょう? 意外な結果だと思いませんか?

読書量がゼロと答えたグループの読解力は、たしかにいちばん低くなっています。しかし、いちばん多く読むグループ(月に15冊以上読むと答えた子どもたち)の読解力は、小学生、中学生ともに、トップではありません。

それどころか、中学生にいたっては「月に4~5冊」のグループをピークに、読書量が増えるほど読解力が下がっています。

つまり、「本好きになったからといって読解力が高まる保証はない」ということです。「論語読みの論語知らず」では意味がありません。

『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より

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