キャリア・教育

2020.11.19 07:30

読書量と読解力は比例しない 「ハーバード流」読み聞かせ

wavebreakmedia/Shutterstock.com


その流れのなかで、ニューヨーク州立大学のグローバー・ホワイトハースト博士らの研究チームが開発し、提唱した読み聞かせの方法が、先述の「ダイアロジック・リーディング」です。
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私はこのダイアロジック・リーディングに出合ってから、自らの研究でも使ってきました。帰国後は国内での普及活動もしてきました。

2016年に、日本テレビの『世界一受けたい授業』という番組に出演させていただいたことで認知度が少し高まりましたが、まだまだ日本では「ダイアロジック」ということばが市民権を得るまでは普及していません。

私がダイアロジック・リーディングに魅了された理由は、この手法が子どもの「言語能力」や「考える力」「伝える力」「読解力」などを効率的に伸ばせるだけではなく、次のような、従来的な読み聞かせのメリット(5大理由)をさらに高めることができるからです。
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①対話の時間が増えることで、「親子のコミュニケーション」をより密に図ることができる。子どもの内的な成長もより細かく観察・実感できるようになる。

②登場人物の心情や善悪に関する質問をすることで、より効果的に「情操教育」や「道徳教育」を図ることができる。

③物語を分析する癖をつけることで、「読解力」「本を読み込む技術」「想像力」などが強化できる。

④話を聞きながら考える習慣をつけることで、「人の話を深く聞く」ことができるようになる。

⑤子どもの発話を促すことで、語彙の習得だけではなく「考えをまとめる練習」や「話す練習」ができる。

このように、ダイアロジック・リーディングは、子どものさまざまな能力を伸ばすために、大きな効果を発揮します。しかも、そのために必要なのは絵本だけ。高い教材も必要ありませんし、能力開発の教室に通う必要もありません。

やり方さえ覚えてしまえば、いつでもどこでも、今日からでも試すことができます。

事実、ホワイトハースト博士らの研究では、ダイアロジック・リーディングで読み聞かせをしてもらった子どもたちは、一般的な読み聞かせをしてもらった子どもよりも、言語発達テストで明らかに優位な結果が出ています。

この研究は、ニューヨーク、テネシー、メキシコなど多様な地域、そして、家庭、幼稚園、保育園などさまざまな環境、そして、貧困家庭から裕福な家庭まで、いろいろな家庭環境の子どもたちに協力してもらいましたが、すべての環境下で同じ結果が出ています。
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『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より

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