キャリア・教育

2020.11.08 10:00

中学受験で「社会」を後回しにすると危険? 時事問題に「小学生新聞」は効くのか

「スタディアップ」代表 野村恵祐氏 著書

「スタディアップ」代表 野村恵祐氏 著書

「中学受験では、社会を一番最初に固めること」に特化した学習法の提案で、中学受験を考える小学生の保護者に支持される教育者がいる。好評記事『中学受験で「社会」を後回しにすると危険な理由』の、中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」代表 野村恵祐氏だ。

野村氏は通販を通じて年間に3000名以上の受験生やその父兄と関わり、授業形式のライブ講義も行う。テレビや雑誌などのメディアなどにも数多く取り上げられ、NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」で地理の監修を務めるほか、雑誌「プレジデントファミリー」(プレジデント社刊、月刊)への寄稿もある。著書も『中学受験は社会で合格が決まる』(講談社)をはじめ多数で、中学受験の学習塾向けに社会科テキストの監修や模擬試験の制作なども行う。

野村氏は非常にデータオリエンテッドな教材開発者としても知られる。首都圏約200校と、首都圏以外の人気中学数十校で出題された問題を毎年分析し、出題率の高い777問を厳選した100ページ程度のテキストなどがその例だ。毎年、受験月の2月1週目には、「このテキストだけを暗記して社会の偏差値を上げました」などと、1週間に200通もの感謝のメールが届くという。

本命受験校が2月の場合、受験まであと約12週間となった今、野村氏に今年2020年に起きた事件に関わる設問、いわゆる「時事問題」、そして得点源となる「記号問題」の対策を聞いた。


時事問題は「全員が秋から同じ条件でスタート」


中学受験における時事問題というのは、たとえば2021年の1月〜2月に受験する場合は、2020年に起きた重大ニュース・出来事などの問題を指す。「つまり、その年その年で覚えなければいけないことが180度変わってしまう、地理・歴史・公民とは異なった特殊な分野です」。

逆をいえば、「6年生の秋にその年の覚えるべき内容が決まる」分野なので、早い時期から小学生新聞などで世の中の時事に触れてきた子を除けば、基本的にはどの受験生もゼロから覚えなければならない。「だから、『全員が6年生の秋にスタートに立つ』し、入試の出題傾向をみれば、地理・歴史・公民分野と比べて覚える量が少なくてすむため、暗記する負担も何十分の1以下なんです」。

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「スタディアップ」代表 野村恵祐氏 

そして、この「時事問題」については大きく2つに分けて考える必要がある。「すなわち入試本番がまだ1、2年先の4、5年生のお子さんの保護者と、かたや残り12週間となり、『2020年の重大ニュース』をおさえておく必要がある6年生の保護者の場合です」。
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構成・文=石井節子

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