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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

ターミナルにカードを挿して、暗証番号を押す、著者の長女

「大学まで教育費が一切かからない」国、教育大国スウェーデンのマネー教育とは、実際どんなものなのだろうか?

高校時代にスウェーデンに交換留学し、大学卒業後はスウェーデン大使館商務部勤務、その後、理想の子育てを求めて家族で移住した久山葉子氏。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない 移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし』もある久山氏に寄稿いただいた。


お小遣い──とはいえスウェーデンではお金(現金)をすっかり見かけなくなってしまった。2015年に新しい紙幣と硬貨が導入されたが、それと時期を同じくしてキャッシュレス化が進み、わたし自身もここ数年現金を触った覚えがない。お店やレストランはどこでもクレジットカードが使えるし、むしろカードしか受け付けないところが増えている。タクシーやバスなどはかなり前から現金は受け取らない。

わが家も子どもが小学校4年生になって独りでバス通学をするようになったのを機に、銀行に行って子ども用のデビットカードを作った。これで学校帰りに友達とスーパーに寄ってジュースやお菓子を買うことが可能だ。子どもに現金を渡したことはない。出かけるときに必ずもっていくのはスマホだけ。スマホカバーの中に子ども用のデビットカードとバスカードが入っている。

小学生の場合、お小遣いは週ごとに決まった額をもらうことが多い。統計によれば、小学校高学年で週に45クローネ(約585円)が相場のようだ。小学生の場合、買うものといっても知れていて、量り売りされている色とりどりのグミキャンディーやチョコレートなどのお菓子くらい。これは子どもたちの大好物で、食べ過ぎないように「土曜日だけ食べていい」というふうに全国的に決まっている。

「土曜日のおかし」という表現があるほどの全国的慣習で、「用法」としては「今日は土曜日じゃないから食べちゃダメ!」のように使う。


スウェーデン王室。スウェーデン、ストックホルムにて。(Getty Images)

子ども向けのお小遣い管理アプリ、開発したのは「銀行」


スウェーデンでもお小遣いは「子どもがお金の使い方を学ぶ」ための重要な過程だと認識されてきた。しかし財布から現金が消えた昨今、子どもにお小遣いを渡すのを面倒だと感じる親が増えているようだ。Nordea銀行が依頼した調査では、2006年には76%の子どもが定期的にお小遣いをもらっていたが、それが2017年には57%にまで落ち込んでいる。

文=久山 葉子 編集=石井 節子

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