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新型コロナ問題が顕在化してから、半年が経過した。ウイルスは、中国・武漢市内から湖北省へ、その後全世界へと感染を広げた。半年が経過してみると、感染者数や死亡者数には、国別、また国のなかの地域別に大きな差がある。

10万人あたりでみると、累積感染者数は、アメリカで904人、中国で6人、日本で16人となっている。10万人あたりの累積死者数は、アメリカで40人、中国で0.3人、日本で0.8人である。なぜ、日中で新型コロナ感染率、死亡率がここまで低いのかについては諸説ある。仮説を、列挙してみよう。

(1)日本や中国では、マスク、手洗い、うがい、の習慣に加えて、家に入るときに玄関で靴を脱ぐのが普通だ。さらに、ハグや頬へのキスの文化もない。これらの習慣によって感染率が低くなった。

(2)COVID-19由来の肺炎の判定にはCTスキャンが有効である。CT機器の(人口あたりの)数は、日本が諸外国に比べて高い。これが診断と重症化を防ぐのに有効だった。

(3)日本は、国民皆保険なので、重症化する前に来院して早期に治療できた。アメリカでは健康保険を持っていない人も多く、これが、感染者あたりの死亡率を高くした。

(4)中国では、武漢のロックダウン(都市封鎖)が導入された。日本では、より緩やかな形の外出自粛と呼びかけだったが、外出や通勤は大きく減少した。これによって、感染の急拡大を早期に頭打ちにすることができた。

(5)日本人は乳幼児のときに、BCGワクチンを接種している。世界的に、BCG接種を強制している国では感染率は低く、強制していない国で感染率は高い、という相関関係が見られる。BCG接種が、理由は不明だが、感染率、重症化率を低く抑えた。

このなかで、最初にあげた、マスクをすることにより感染拡大を防止できるというのは、日本では当初から信じられていたし、現在では世界的にも常識になった。家庭用の通常のマスクでは、飛沫感染を受けることは必ずしも防げないかもしれないが、自身が感染している場合に飛沫を飛ばすことを大きく減らすことが証明されるようになった。

文=伊藤隆敏

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