【実践編】採用マーケティングのフレームワークと活用方法

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優秀な人材の確保は、どの企業でも重要な活動だ。

採用活動にはいくつかの段階があるので、そもそも応募数に課題があるケースもあれば、書類選考や面談の通過率に課題があるケースもある。

こうした課題を俯瞰して捉え、それぞれのプロセスを一元化して考えるために、採用活動にマーケティングの手法を取り入れた「採用マーケティング」という考え方に注目が集まっている。

この記事では採用マーケティングの基本的な考え方を、実際に使えるフレームワークを交えて紹介していく。

定義と普及の背景


採用マーケティングとは、自社のニーズにマッチした人材を獲得するために、マーケティングになぞらえて採用活動を行う考え方のことだ。

マーケティング活動でいう商品・サービスの購入を採用に置き換え、「候補者と出会う段階から採用までのプロセス」を、マーケティングの「セールスファネル」のように段階分けし、段階ごとにKPIや施策を考えていく。これが基本的な概念だ。

なぜ注目されるようになったのか?


メディアの多様化に伴い、ソーシャルリクルーティングやリファラル採用など、新たな採用手法が次々と提唱されている。求職者にアプローチするための方法が多様になった分、どこにどのくらいのリソースを割くべきか迷う採用担当者も出るようになった。

こうしたことに加え、最近は人手不足による採用競争が激化し、優秀な人材の確保が難しいといわれている。そこで、いかに適切な場を見つけて、候補者と出会えるかが重要になる。

採用戦略という言葉があるように、まさに戦略的に「どんな候補者に対して」「どんな方法・場で」「どのようなメッセージで」自社の魅力をアピールするかを整理して考えることが採用活動に不可欠であることを意味している。

その整理、全体のバランスを俯瞰する際に、マーケティング的な考え方が役立つということが、採用マーケティングを普及させている背景だ。

採用マーケティングを活用した採用戦略立案の手順と手法


いよいよ本題に入り、具体的に採用マーケティングを実践するためのポイントについて紹介していく。大きくは次の3つの段階から考えていくことが一般的だ。

・ターゲットの明確化
・自社分析と競合分析
・ファネル別の施策設計

それぞれ詳しく解説していこう。

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文=小野祐紀

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