例えば「興味」と「応募」の間をもう少し細かく分けることも良いし、逆に「認知」「興味」を1つにまとめて考えることもある。企業によって採用活動に使えるリソースは千差万別だ。
どの会社の採用活動にも共通する部分はあるものの、「候補者の態度変容(採用に至るまで、どのような心理的なステップがあるか)」と、「自社の採用フロー」をふまえながら、運用しやすいモデルを描くことが一番大切だ。
段階ごとにKPIと施策を設計する
ファネルが設計できたら、各段階のアクションを設計しよう。
ポイントは、「ターゲットを“どんな気持ち”にさせたら」ファネルの上から下に動かすことができるかだ。これをマーケティングでは「態度変容」という。
例えば上の図でいうと「認知」から「興味」へと進めるためには、あるいは、「内定」から「入社」に進めるためには、ターゲットにどんな働きかけをしたら良いか。
採用活動で一般的な説明会や採用サイトや動画なども、「どの段階のターゲットに対して、どんな態度変容をさせるための施策か」を考えることで、目的や見せ方が大きく変わるだろう。
また、それぞれのフェイズがうまくいっているかどうかを把握するために、効果検証の仕方を事前に決めておくことが重要だ。例えば「認知」であれば採用サイトのユーザー数など、できれば数値にできる指標がよい。段階ごとで共通の指標を使う場合もある。
この指標があることで、施策が想定通りにいかないとき、次の打ち手を考える際に欠かせない資料になる。また、段階ごとにKPIがあれば、「どこの段階がうまくいっていないのか」を分解して考えることができる。
まとめ
マーケティング活動を採用活動に置き換えて考える採用マーケティング。
どのような人材を求めているのか。そのためにはどのようなアプローチが適切か。マーケティングのフレームワークに当てはめて考えることは、自社にマッチした優秀な人材を確保するための手助けとなるはずだ。
また、フレームワークは用意するだけでなく、運用できてこそ価値を発揮する。その意味で、現実性を欠いていたり、設計が複雑すぎたりしないようにすることが大切だ。
採用担当者だけでは手に負えない部分は、現場の部門や社外リソースをうまく活用しながら、あなたの会社ならではの成功モデルを設計できると良いだろう。
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