経済への影響は計り知れないものがあるが、座れるくらいには空いている電車や空席が目立つカフェ、ゆっくりと作品を鑑賞できる美術館など、新しい日常ではこれまでではあり得なかった、ある種の快適さも見つけることができる。
他にも新型コロナ前後で変わったことの一つはペットとの関係性だろう。流行の第二波が懸念され、今後も自宅で過ごす時間が以前と比べ長くなる中で、ペットに癒しを求める人が増えている。私の知り合いも続々と犬や猫を飼い始めており、実際に売上が前年を上回るペットショップも多いそうだ。
人間はペットがいることで癒やされるが、果たしてペットの方はどう思っているのだろう。ペットの気持ちの変化を知ることに役立つデバイスをご存知だろうか。現在は犬専用だが、なんと犬の心の動きを「見える化」できるという。魔法のようなデバイスを開発した、ラングレスのCEO山入端佳那に開発背景を聞いた。
犬用ウェアラブルデバイス
デバイスの名前は「イヌパシー」。犬の胴体に取り付けるハーネス型のウェアラブルデバイスで、犬の心の動きをリアルタイムで可視化できる。犬の背中側に感情を示すインジケーターが付いており、「リラックス」「ドキドキ」「ハッピー」「興味」「ストレス」の5つの心の動きをそれぞれの色で教えてくれる。
ペットは話すことができないので、その挙動から本当の感情を読み取ることは難しい。それがイヌパシーを付けると本当の心の動きがわかってしまうのだ。山入端によれば「犬は尻尾を振っていると喜んでいると思われがちだが、同じように尻尾を振っていても何かに集中していることもある」のだという。
写真提供:ラングレス