2. 在宅勤務上手の人の共通点:「積極的なコミュニケーション」
次に、「積極的なコミュニケーション」です。相手の迷惑を考えて、チャットなどで話しかけることを躊躇する方もいるかもしれませんが、「オフィスと違って顔が見えないから逆に顔色をうかがう必要もない」と考えれば、遠慮せずに自分からコミュニケーションを求めることができるのではないでしょうか。
また声や画像を介したコミュニケーションを1日1回取り入れることも良いと思います。自分が思っているより、相手は意外にコミュニケーションを欲しているものです。
3. 在宅勤務上手の人の共通点:「割り切りができる」
最後は「割り切りができる」ことです。在宅勤務に対して、オフィス勤務時と同じレベルでのアウトプットを求めることは難しいでしょう。在宅勤務で感じるデメリットではなく、そのメリットをチームで共有すること、成果を上げるための方策をチームで考えること、そして100点ではなく80点で良いことをチーム全員が理解することが期待されます。
残りの20点は仕方ないのだと、「割り切りができる」ことが、在宅勤務と付き合うためのコツと考えてください。
パワーポイントではなく「ワードのドキュメント」をうまく使う
ビジネスに限らず、肝心な時には、直接会って話をすることは大切なことと考えられています。もちろん今後もこの考えは変わることはないでしょう。現在の、直接会って話をすることが難しい環境下でもものの、お客様に対して案件の説明をする、部下に対してネガティブなフィードバックを伝える、リモートでのチームビルディングは、これまで同様に進める必要があります。
口頭での説明では、パワーポイントは手軽なツールとして利用されています。パワーポイントは、行間を口頭で補足しながら、聞き手の理解を得ていく説明スタイルには適したツールです。
しかし、相手が目の前にいない、声やジャスチャー、アイコンタクトに頼ることができない現在の環境では、伝え方や見せ方を工夫した説明が求められます。この様な場合には、パワーポイントに代わって、ワードのドキュメントを利用した説明も効果的です。
まず説明資料を作成する際に、書き手はインプットとアウトプットを意識することができます。そして、事前に送付して予め読んでもらうことができます。そうすることで相手の理解も高まり、当日は限られた時間の中でも、本質的な議論につなげることができます。
ワードでの資料作成は、パワーポイントに比べて時間がかかるので躊躇するかもしれませんが、これまで通勤に費やしていた時間を、それに充てることができるのです。
この様に在宅勤務を通じて、私たちは仕事のあり方を見直すチャンスを与えられています。このチャンスこそ「真の働き方改革」への近道と考えることができるでしょう。
鈴木英孝◎1993年産業医科大学卒業。米国総合エネルギー企業エクソンモービル社日本法人、アマゾンジャパン合同会社でのグローバルな産業保健活動を経て独立、現在アッシュコンサルティングサービス代表として、クライアント企業に対して産業保健のコンサルティングを提供している。専門は職域の感染症管理、健康経営、化学物質管理、喫煙対策などを含む「産業保健」。