短期間で「仕事にインパクトを出す」ための学習法

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新しく未知の領域を学ぶのは労力がかかり、億劫になることもあります。それに、そもそもどこから手をつけたらいいのかわからないこともしばしばです。

私自身、最近、仕事で金融について調べる必要がありました。1515年のイタリアでの財産権の確立から2019年の現在まで、約500年分の歴史をあたるというのは、今まで金融史を学んだことがなく、どちらかといえば金融から遠い世界で仕事をしてきた私にはなかなかの重荷でした。

それでもやり遂げられたのは、GEやボストンコンサルティンググループ(BCG)で「知らない領域について短期間で学ぶ」方法を学んだからです。

今回は、実際にどのように進めているのか、そして、学習の成果を実践に活かすにはどうすべきかを紹介します。

未知の領域を効率よく学ぶ3ステップ

これまでに馴染みのない領域でも、1か月ほど情報をインプットし続けると、専門領域の人と話して違和感のない程度になれます。肝心なのは、1)全体像をつかむ、2)詳細を掘る、3)全体像を見直す、の3つを繰り返すところにあります。

全体像をつかむ際に大切なのは、起点から学ぶことです。先ほど金融史500年分を調べたと書きましたが、それは、現在の状態を知るには100年ほどを調べてもわからないからです。そこは楽をせず、始まりの部分から資料を読みます。企業について調べる時も、「いいときだけ」「悪いときだけ」を見るのではなく、創業者が創業に至るまでの前段階から、現在までを調べます。

とはいえ、それだけの情報を最初から専門誌や論文で読むと、知らない単語のオンパレードで挫折するので、全体像を掴む際には、学生向けの教科書や参考書のサマリーなどを活用。基礎知識をたくわえることからスタートし、そこで「押さえるべきポイント」をメモしていきます。

基礎レベルができたところで、詳細を掘るべく、専門書を読み解いていきます。そこで大事なのが、大きなイベントについて、以下の4点をピックアップしておくことです。

・何が起きたか
・なぜ起きたか
・それによってどう変わったのか
・その結果、どんなことが起きたのか

たとえば、私は現代の米国の金融史を考えるうえで、1929年の大恐慌、1980年代のレーガノミクス、2008年のリーマンショックを重要なポイントととらえ、その前後については、専門家の論文を中心に読みこみました。
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文=秋山ゆかり

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