「自社にとっての意味」を考えると仕事に活きる
私がGEの元CEOであったジェフ・イメルトから学んだことは、重要と思われるトレンドや動向について常に勉強すること、そしてインプットした情報をもとに、「自社にとっての意味は何か?」を考え、戦略に活かすことでした。
ジェフ・イメルト(2017年撮影)
彼は、自分が関心のあるテーマについて詳しいと思われる人たちに、どんな本がおすすめか、誰に話を聞くべきかをいつも尋ね、ある程度情報を収集した段階で、専門家に会って質問をしたり、ディスカッションをしたりしていました。
そして、吸収する期間が終わると、必ず「学んだ内容が自社にとってどんな意味を持つのか、それにどう対処すべきか」を考えていました。
つまり、情報を大量に摂取しても、即座に反応・対応するのではなく、必ず「熟考」をしてから、戦略に取り込んでいたのです。また、新しく得た情報や知識をもとに、柔軟に軌道修正もできる人でした。
このような上司を持つと、「このテクノロジーは社会をどのようにかえると思うか?」「自社にどんなインパクトをもたらすか?」「競争環境はどのように変わるか?」「企業として生き残るにはどんな施策を打つべきか?」など、身近に捉えらえられるトピックを振られるため、必然的に自分も勉強し、討議や提案ができるよう準備をするようになっていきます。
自分の中に定着させるには、アウトプットを作る
学んだことをまとめる際、誰かが読むことを前提にスライドや文章などに学んだことをアウトプットしておくと、頭のなかが整理され、知識として自分の身につきます。私の場合は、ノートやエクセルにポイントだけまとめたあと、スライドに落としておきます。二度と使わないかもしれないけれど、スライドにするという手間をかけることで、順序だった形で記憶されやすくなります。
とはいえ、人はなかなか“二度と使わないもの”に労力を割けないものです。スライドの代替策としては、執筆やSNS投稿が有効かと思います。調べたことを強制的に人目に触れる状態にすることで、知識がが定着するほか、SNSであればコメントなどさらなるインプットに繋がる可能性もあります。
インプット+熟考+アウトプット。この3つを行うことで、短期間に学んだことを仕事に活かせるようになります。学ぶというと、ついついインプットに偏りがちですが、この3つのバランスを意識することをおすすめします。