今年の個人賞受賞者は、「自分らしく」輝く6名の女性たち。仕事のこと、プライベートのことと合わせ、それぞれの人生に影響を与えた「座右の書」も聞いた。
【社会インパクト賞】
矢島 洋子(三菱UFJリサーチ&コンサルティング執行役員)
「笑いを売った少年」 ジェイムス・クリュス(著) / 森川弘子(訳・解説)/未知谷
「小学校に上がった時、親にねだって世界名作全集を買ってもらいました。その中にあったドイツ文学『笑いを売った少年』です。
誰もが笑顔になる笑い声を持つ少年が、父の葬儀で出会った紳士に、莫大な富と引き換えにその笑い声を売ってしまいます。のちに、彼は、人生に最も必要なものは笑いだと気付き、自分の笑いを取り戻す旅に出ます。
子どもの頃は、とにかく本ばかり読んでいたのですが、この作品は特に印象深く記憶に残っています」
【新規ビジネス賞】
寒竹明日美(tsumiki証券 取締役CEO)
「銀河鉄道の夜」 宮沢賢治(著)/新潮文庫
少年ジョバンニと友人カムパネルラの銀河鉄道の旅を描いた、宮沢賢治作品の代表作のひとつ。
人によって解釈が異なったり、大人になってから読み返すと、子どもの頃読んだ時には気がつかなかった点も多くある作品です。アニメになった映画で出てくる、可愛いネコもお気に入りです」
【新規ビジネス賞】
中村 朱美(minitts社長)
スターガール/ジェリー・スピネッリ(著)/千葉 茂樹(訳)/KADOKAWA
「『スターガール』という洋書です。私は月に20冊ぐらいの本を図書館で借りて読んでいるのですが、これだけ本を好きになったきっかけが、この本でした。
高校生の時に通っていた図書館の司書の先生に勧められて、初めて自分の意思ではなくて読んだんです。すごく面白くて、私の知らない世界にこんなに面白い本があるんだ、と気づきました。
それをきっかけに司書の先生と仲良くなって、読んだ本の履歴も作りました。最後に数えたら、高校3年間で、130冊ぐらい借りていました」