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岡部 鈴 / 電通イースリーファイナンス部ディレクター

2018年6月、岡部 鈴は、自身の体験を綴った『総務部長はトランスジェンダー 父として、女として』を出版した。

広告代理店で管理職に就き、妻子もある自分が、50歳目前にして女性として生きていく決意をしたこと。社内一斉メールでのカミングアウト……。赤裸々でありながらも淡々とした文章には、岡部のなかにある、自分自身に対するどこか客観的な態度が垣間見える。

自分自身の出来事や総務部長に就いた経験から、岡部は企業の性的少数者に対する姿勢の在り方をどのように考えているのか、話を聴いた。


──単刀直入にうかがいますが、入社時から長いあいだ男性として働き続けていたなかで、あるときから女性として出社することを宣言するのは、とても勇気のいることだったのではないですか?

そうですね。男として働き続けていただけではなく、総務部長という役職にも就いていましたから、「これからは女性の格好をして化粧もして、女として働く」と宣言するのは、とても勇気がいりました。

私の場合は、50歳手前までは自分の自覚としては一生男性として生きていかざるを得ないと諦めていました。女性として生きていきたいと思い始めたのは、あるときに女装をしたことがきっかけ。

なんとなく女装への興味を抱いていた期間があって、思い切って洋服を着てみてから、どんどん自分のなかで変化が起きていったんです。

職場でも、過渡期というか、心の中では女として日常生活を送りたいと思っているけれども、社内で打ち明けられずに男性の格好で職場に行っていた時期がありました。

そんななか、親会社が性的少数者に対しても支援していく姿勢があることがわかったんです。その出来事に後押しされて、リスクを負いながらも、社内でカミングアウトしました。

──どのようなタイミングで、その事実を知ったのですか?

親会社が性的少数者に対して理解を示しているのを知ったのは、ある雑誌のインタビューを読んだからでした。

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文=吉田彩乃 写真=山添雄彦 スタイリング=石関淑史 ヘア&メイクアップ=古瀬理久子

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