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Box共同創業者兼CEOのアーロン・レヴィ

大企業への導入実績で、あのDropboxの上をいくクラウドストレージサービスがある。来日したシリコンバレーのカリスマCEOに、ライバルとの違い、そして人気の秘訣を聞いた。


Dropbox(ドロップボックス)といえば、コンシューマ向けクラウドストレージの先駆けとも言えるサービス。ユーザー数は全世界で5億人を超え、2018年3月には米NASDAQ証券取引所へ上場を果たした。

だがエンタープライズ(大企業)市場で、そのドロップボックスより人気の企業があるのをご存じだろうか。それが、同じシリコンバレーに拠点を置くBox(ボックス)だ。

ボックスは、05年に当時大学生だったアーロン・レヴィが友人らとともに創業。当初はコンシューマ向けサービスだったが、類似のサービスが急増したため、早々とエンタープライズ向けへと「ピボット(路線変更)」した。その戦略転換が奏功し、現在、法人向け市場では圧倒的な支持を獲得している。

ボックスとドロップボックスは、しばしばライバル関係にあるとされる。名前が似ているだけではない。どちらも2000年代半ばに同世代の起業家が創業し、上場までにかかった年数や現在の従業員数もほとんど同じだ(右ページ図参照)。

両社の規模を比べると、ユーザー数や時価総額はドロップボックスの方がはるかに大きい。これだけを見ると、ドロップボックスの方が成功していると言えそうだが、エンタープライズ市場に目を向けると、両社の力関係は逆転する。

フォーチュン500企業における採用率は、ドロップボックスが56%であるのに対し、ボックスは69%(ともに会社発表の数字)。また米調査会社ガートナーも、コンテンツ・コラボレーション・プラットフォームに関する市場調査(18年6月)で、マイクロソフト、グーグル、ドロップボックスを上回る「業界リーダー」としての評価をボックスに与えている。

ボックスの顧客数は現在、世界で8万5,000社。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やゼネラル・エレクトリック(GE)、コカ・コーラ、アストラゼネカなど、誰もが知る世界の一流企業が名を連ねる。

なぜ、ボックスは世界の大手企業から絶大な支持を得ているのだろうか。その理由を、6月上旬に都内で開かれた同社イベントのために来日したCEOのアーロン・レヴィ(33)に聞いた。

──一般にボックスは法人向け、ドロップボックスはコンシューマ向けの製品とされていますが、ドロップボックスも法人向けサービス「Dropbox Business」を展開し、アディダスやエクスペディアなどの有名企業をはじめ、30万チームの顧客を獲得していると発表しています。ボックスがドロップボックスよりも優れているのはどんな点でしょうか?

あいつらめ……(笑)。というのは冗談で、まずエンドユーザーの話なのか、ビジネスユーザーの話なのか、はっきり区別する必要があります。一般のエンドユーザーにとって、じつは両社の製品はそれほど大きな差はありません。ファイルを共有したり、共同で編集したり、といった作業はどちらでも可能です。

ですがビジネスユーザーにとっては、まったく別物です。企業の情報システムやセキュリティ、コンプライアンス担当の人間であれば、どのように情報を管理できるかが重要になります。たとえば情報の流れに沿った業務フロー、業界基準に適合したコンプライアンス、マルチゾーンでのデータ保管など、ボックスなら、企業のさまざまなニーズに応えることができます。そこが大きく異なる点です。

ただし、競合はドロップボックスだけではありません。マイクロソフトやグーグルなど、エンタープライズ向け製品を売るすべての企業です。ボックスはフォーチュン500企業の約7割のシェアを握っています。それはわれわれが過去13年間、エンタープライズ市場に100%特化してきた結果なのです。

文=増谷 康 写真=ヤン・ブース

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