私は先日、新たにCPOに選ばれた人のため「チャージブック」の一部を執筆するよう依頼された。チャージブックとは、リーダーシップに関して学んだ教訓を共有する手引きのようなもので、CPOになる上で考えるべき教訓が書かれており、新人にとって指標と内省の源となる。
チャージブックの前提として、学ぶ上で経験が果たす役割は半分だけだということがある。残りの半分は内省だ。内省により、学びは個人的なものとなり、その時々の状況で意味のあるものとなる。内省なしでは、自分個人にとっての意味合いや関連性、重要性はなくなり、行動の変革にはつながりにくい。もしあなたが、経験は「最高の」教師だと考えている場合、次の2つのポイントを考えてみてほしい。
まず、「最高」というものは存在せず、あるのは「今のところ最高」なものだけだ。2つ目に、ハーバード・ビジネス・スクールの研究では、学びと経験について内省することは、経験からのみ学ぶことよりも大きな効果があると示されている。例えば、自分が問題を認識する仕方、問題を額面通り受け取らずに異なる解釈をしてしまうのはなぜかについて疑問を持てば、批判的思考力が育つだけでなく、学びの方法を身に付けることができる。
ともあれ、私が新米CPOと共有した内容は、皆さんにも紹介しなければいけないだろう。全てを網羅しているわけではないが、以下に私が米海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」隊員として学んだ教訓のうち他にも応用可能なものを6つ紹介する。
1. まずは任務、次にチーム、最後に自分
意思決定の90%はこの順序で進められる。「このタスクは任務の役に立つか? チームの役に立つか? 自分はどうすれば役に立つか?」と自問する。その他の10%の場合は、リスクが報酬を上回っているか、道徳的・法的・倫理的な一線を越えなければいけない場合だ。
ネイビーシールズの多くの任務は「不可能な任務」だったが、中には単にばかげたものもあった。こうした場合、私たちはより良い機会を待った。それは、時間が重要である一方で、任務を進められるようにチームを機能的で健康な状態で維持することも同じく重要だったからだ。