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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

Peter Thiel (photo by マヌエル・ブラウン)

宇宙開発や延命技術など、ピーター・ティールは、SF的な事業に投資してきた。だが、彼の“逆張り投資”は単に世界の常識に抗うだけのものなのか?ドットコム・バブルの生還者の過去を紐解けば、その投資哲学が見えてくる。

90年代後半のある夏の夜、学生起業家のマックス・レフチンは、スタンフォード大学の講義にふらっと立ち寄った。講義のテーマは、「政府権力の集中が招く危険」。講師の名をピーター・ティールといった。

チェルノブイリ原発事故のなかで旧ソ連を脱出した過去を持ち、全体主義を憎むレフチンはティールに好感を覚えた。意気投合した二人は、すぐにビジネスについても話し合う仲に。ティールは、レフチンの「暗号化技術会社」案に興味を示し、起業を勧めた。そして、手元から20万ドル出資することを約束。自ら、CEOを務めることも提案した。-こうして生まれたのがフィールドリンク社、のちに、簡易決済サービス「ペイパル」となる会社だ。

じつはこの話に、SNS「フェイスブック」や宇宙開発企業「スペースX」への初期投資で知られる、“逆張りの投資家”ピーター・ティールを読み解くカギがある。

それは、彼の哲学だ。彼は自著『ゼロ・トゥ・ワン』(邦訳:NHK出版刊)で、起業は「ゼロから1を生み出す垂直的進歩であるべき」と説いている。つまり、一台のタイプライターを量産する水平的な進歩よりも、それをワープロへと進化させる垂直的進歩のほうが社会の発展につながるからである。それに、すでにあるものをコピーする場合は競争が生まれる。競合がいなければ、市場の独占も可能だ。

ペイパルもこうした哲学に裏打ちされている。個人間の決済は当時、ほとんどなかった。しかも、潜在的利用者の独占が期待でき、スケールしやすい。

ティールは市場を独占する上で「計画」と「目標」の重要性をあげている。実際、同社は早い段階で暗号化技術を使ったデジタル通貨の可能性に着目し、業界の制覇を目標に掲げた。ある社員のPCモニター上には、「世界征服指数」と書かれた登録者数カウンタが置かれていたほどだ。

こうしたティールの哲学があったからこそ、ペイパルは2000年代初頭のドットコム・バブルを生き残れたのだろう。

文=Forbes JAPAN編集部

 

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