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2016.03.09

「アップル経営陣は間抜け」と指摘する米著名アナリスト 

ティム・クック アップルCEO (Photo by Astrid Stawiarz/Getty Images for RFK Human Rights)


自社株買いは賢明な選択だった

筆者はアップルが他に取り得た選択肢を考えた場合、自社株買いは賢明な決断だったと考えている。同社は研究開発に既に巨額の資金を投じており、これ以上は必要ないだろう。また、単発で多額の配当を実施して株主に還元するという手もあるが、長期的に株価にはあまり影響しないだろう。

M&Aで大企業を何社か傘下に収めることも可能だが、歴史を振り返れば、大規模なテック企業同士が一緒になるとうまくいかないケースの方が多い。特にアップルの文化に同化するのは容易ではなく、期待したシナジーを発揮できない可能性が高い。そうなると、恐らくアップルは継続的に配当を増額していくことを選ぶだろうし、筆者もそれが正しい決断だと考える。

チャウダリーは2016年1月2日時点のデータを基にグラフを作成している。彼が言わんとしているのは、アップルのPERが市場平均並みの20.5倍だった場合に、時価総額は1兆710億ドルとなり、実際の時価総額5860億ドルを大きく上回るということだ。差額である4850億ドルを彼はBozo Impact(間抜け者効果)と呼んでいる。しかし筆者は、この読みは強気過ぎると思う。

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編集=上田裕資

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