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放送作家・脚本家、「くまモン」の生みの親。

illustration by Yusuke Saito




「20兆円」

放送作家・脚本家の小山薫堂が「有意義なお金の使い方」を妄想する連載第3回。
化石燃料のために年間20兆円を海外に支払い続けている日本。
その同額を、次世代エネルギーとなるサツマイモに投資するのはいかが?



先日、僕がパーソナリティーをしているFMヨコハマの「FUTURESCAPE」に、近畿大学の農学博士・鈴木高広先生がゲストでいらしてくれた。対話のテーマは「次世代エネルギー」について。鈴木先生は「発電資源に最適なのはサツマイモ!」という画期的な研究を進めている方である。
 
日本では現在、原油、天然ガス、原子力、自然エネルギーなどさまざまなエネルギー資源が使われているが、それらのほとんどは輸入に頼っているそうだ。資源小国である日本のエネルギー自給率は、なんとわずか4%。原子力エネルギーを含めても19%(2010年)。中国91%、アメリカ68%、イギリス65%というなかで、その数字はあまりにも低い。もしいま日本に有事が起きて鎖国状況になったとしたら、一気に電気のない生活となるわけで、考えると暗い気持ちになる。
 
では自給率をどう上げるべきなんだろうか。
自然エネルギーを代表する太陽光発電や風力発電は、残念ながら天気に左右されるうえ、建設費用がとにかく高いので、日本のエネルギー問題をすぐに解決できないらしい。

そこで鈴木先生が目をつけたのがサツマイモだ。
燃料作物として一般的なサトウキビやトウモロコシに比べ、サツマイモは少ない光の量で圧倒的な量を収穫できる植物なんだとか。まず立体的な棚をつくり、そこに土を入れた袋やポットなどの容器を並べ、苗を植える。この方法であれば1平方あたり20kgと、全国平均の8倍の収穫量となる。そのサツマイモをメタンガスにして発電するというわけだ。「サツマイモで発電」というと冗談みたいだけれど、鈴木先生はいたって真面目である。
 
事実、黒霧島で有名な霧島酒造が、ゴミの削減と発電の収益化を目指し、2014年9月に「サツマイモ発電プロジェクト」を立ち上げた。

発電の燃料となるのは、焼酎を蒸留したあとに残る搾りかす。1日最大800トン出る搾りかすを発酵させ、発生したバイオガスを燃やすことにより、タービンを回し発電する。年間400万kWを一般家庭の消費電力量に換算すると、約1,000世帯分の年間使用量に相当する。霧島酒造は1年間で1億5,000万円の売電売り上げを見込んでいるという。

イラストレーション=サイトウユウスケ

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