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北米

2025.04.22 12:30

米国防長官が妻と機密共有で物議、省内で「中傷合戦」の動きも

ピート・ヘグセス国防長官(Alex Wong/Getty Images)

ピート・ヘグセス国防長官(Alex Wong/Getty Images)

米国防長官のピート・ヘグセスが、米軍のイエメンへの空爆に関する機密性の高い情報を、通信アプリ「シグナル」のグループチャット上で自身の妻や兄弟、さらに顧問弁護士らと共有していたと4月20日に報じられた。これは、ここ数週間で米国防総省(ペンタゴン)を揺るがしている同省の高官の解任を含む一連の物議を醸す騒動の最新の出来事となる。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が匿名の4人の情報筋の話として報じたところによると、このシグナルのチャットの内容には、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する空爆を行った米軍の戦闘機の飛行スケジュールが含まれていたという。

NYTの記事は、このチャットで共有されていた情報が、以前に報じられた『The Atlantic』の編集長が誤って招待されたトランプ政権の高官たちのチャットで明かされていたもので、それと同じ内容が、ヘグセスの妻を含む近親者にも伝わっていたと報じている。

元FOXニュースの司会者であるヘグセスは、国防長官への就任が決定する前の1月に、妻や兄弟らが参加するこのグループチャットを開設していたとされる。

先に国防総省の報道官を退任したばかりのジョン・ウリオットは政治ニュースサイト、ポリティコへの寄稿で、「ここ1カ月でペンタゴンの内部が完全にメルトダウンしている」と記している。彼は、「国防長官を強く支持している」と自称している一方で「ヘグセス国防長官がこの職に長くとどまることは難しそうだ」とも述べている。

ウリオットの後任として報道官に就任したショーン・パーネルは、X(旧ツイッター)への投稿でNYTの報道を否定し、「すべてのフェイクニュースが、不満を抱えた元職員の苦情を唯一の情報源として熱心に取り上げている」と主張した。

パーネルは、NYTの記事で証言した関係筋が、「長官と大統領のアジェンダを妨害する意図を持っているように思える」と述べたうえで、「彼らがどれだけ別の書き方をしようとも、シグナルのチャットで機密情報は一切共有されていない」と付け加えた。

ペンタゴン内部の対立

一方、ウリオットはまた、ポリティコへの寄稿で、ヘグセスの上級顧問を含む3人の国防総省の高官が解雇されたことにも触れ、これらの人物が機密情報をリークしたという汚名を着せられて職を追われたと述べている。彼によると、これはまったくのデタラメで、解任された職員の少なくとも1人は、捜査官から「まもなく正式に無実が証明される」と告げられていたという。この寄稿で彼はまた、ヘグセスのチームを非難し、「退任する同僚に関して、簡単に反証できるようなまったくの虚偽情報を匿名でばらまく癖がついている」と批判した。

国防総省を解任された3人の高官は、19日に共同声明をXに投稿し、「国防総省の匿名職員らが、我々の退任に際して根拠のない中傷で我々の人格を貶めた」と主張した。彼らは「私たちは、この調査が何に関するものだったのか、それがまだ継続しているのか、そもそもこの『リーク』と呼ばれるものに関する調査が本当に行われていたのかすら知らされていない」としている。

しかし、彼らはそれでも国防総省への支持を表明しており、「ペンタゴンを再び偉大なものにし、『力による平和』を実現しようとするトランプ大統領とバンス副大統領の取り組みを私たちは引き続き支持する」と語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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