米首都ワシントンのホワイトハウス付近やニューヨークのマンハッタンなどの全米各地で4月19日、トランプ政権に抗議する数千人規模の抗議集会が行われた。「50501」と呼ばれる草の根の組織は、この日を「National Day of Action(全米行動の日)」に位置づけて、各地で数百の抗議集会を開催している。
50501デモは、1月に掲示板のReddit で開設されたトランプ政権に抗議するフォーラムから始まったもので、「50州それぞれで50の抗議活動を起こし、1つのムーブメントにすること」を目指している。この抗議活動は、リーダーを持たない草の根運動で、最初のデモを2月5日に行っていた。
50501デモのウェブサイトによれば、19日には全米各地で数百件のイベントが開催され、ヨーロッパでもいくつかの抗議活動が行われているという。中でも最大級の抗議デモは、ニューヨークのマンハッタンや首都ワシントンのホワイトハウス付近で行われている。
50501の抗議の矛先は、主にトランプ政権に向けられているが、いくつかの抗議活動はテスラの販売店の前で開催され、政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスクをターゲットとしたデモも行われた。一部の団体は、これを「テスラ・テイクダウン」と呼ばれるテスラへの抗議運動の一環に位置づけているが、最近相次いだテスラの車両への器物損壊事件とは無関係であると明記している。
50501デモの広報コーディネーターであるハンター・ダンはNPRの取材に対し、19日のイベントには単なる抗議デモだけでなく、カリフォルニア州の山火事の被災者や物価高の影響を受けている人々を支援するために余った食品を持ち寄る「フードドライブ」や寄付キャンペーンも含まれていると語った。
同デモのサイトには、この抗議活動の中核となる4つの争点が掲げられている。その1つは「ビリオネアによる政府の乗っ取り」で、トランプやマスクを含む富豪たちが身内に権力を集中させ、政治に影響を与え、一般市民の声を封じていると非難している。
50501デモはさらに、トランプ大統領が「法を無視している」と非難し、裁判所の判決を無視したり、連邦機関を骨抜きにしていると主張している。また、海外からの留学生や移民が、「適正な法的手続きを経ない強制送還」の対象にされたり、「投票権や生殖医療へのアクセス、労働者の権利、自由で公正な選挙」への攻撃が行われていると指摘し、人々の自由が侵害されていると訴えている。