2025年1月、ドナルド・トランプが米国の第47代大統領に就任し、その2度目の任期が始まって以来、再びファーストレディ(FLOTUS)となったメラニア・トランプのファッションが改めて関心を集めている。
首都ワシントンで1月20日に行われた就任式に、メラニアは2017年の1期目の就任式で披露したラルフローレンの淡いブルーのコートとはまったく異なるスタイルを選択。米国人デザイナー、アダム・リップスが手掛けたネイビーのシルクウールのコートと同色のスカート、アイボリーのシルククレープのブラウスを着用した。

そのかっちりしたデザインのコートに合わせたのは、ネイビーに添えられたアクセントの白が美しいつば広の帽子。米国の帽子デザイナー、エリック・ジャビッツが制作したその帽子は、妻の頬にキスしようと顔を近づけたトランプがつばの広さのために「エアキス」にとどめるしかなかったことで、大きな話題となった。
以前からメラニアのファッションにアドバイスを提供してきたエルヴェ・ピエールは、今後も彼女の装いに影響を及ぼしていくとみられる。かつてキャロリーナ・ヘレラのクリエイティブ・ディレクターだったピエールは1990年代以降、ヒラリー・クリントンやミシェル・オバマなど、他のFLOTUSたちも支えてきた。トランプの1期目の就任舞踏会でメラニアが着たドレスも、ピエールが担当していた。
トレンドのパンツスーツを多用
元モデルのメラニアは再びFLOTUSとなって以来、公の場にたびたびパンツスーツで登場している。彼女のその「パワードレッシング」と新たな「コーポレート・イメージ」も、さまざまな話題を呼んでいる。

2月に全米知事協会が催した晩さん会には、サテンの襟が付いたドルチェ&ガッバーナのベルベットのタキシードに、ラルフローレンのシャツとタキシードベルトを合わせた装いで出席。ベルギー出身の写真家、レジーヌ・マホウがホワイトハウスの「イエロー・オーバル・ルーム」で撮影したモノクロのFLOTUSの公式ポートレートには、ボタンを留めずに着用したドルチェ&ガッバーナのブレザー、ラルフローレンの白いシャツにカマーバンドという姿で臨んだ。
そして、メラニアは3月以降も「パワードレッシング」を継続。「リベンジ・ポルノ」を禁止するための「Take It Down法案」を支持する人々がワシントンDCの議会議事堂で行った集会には、ラルフローレンのキャメルのスリーピース・スーツと白のシャツ、ダークカラーのタイを選び、ロングヘアを横わけにしたスタイルで出席した。
力、強さ、ジェンダー平等を表現するこうしたルックは、今シーズンのキャットウォークでも特に目立っていた。メラニアはこれまでのフェミニンであでやかな自身のスタイルを変えることなく、現在のトレンドを取り入れている。