「アイコニック」なパンツスーツ
米国版ヴォーグ誌は1933年9月、夏用のパンツスーツに身を包んだハリウッド女優、マレーネ・ディートリヒの特集記事を掲載した。それから1940年代まで、ディートリヒのほかキャサリン・ヘプバーンやグレタ・ガルボといった女優たちが、パンツスーツによってそれぞれのミステリアスなイメージを演出してきた。
その後、イヴ・サンローランが1966年の秋冬コレクションに女性向けのタキシード「Le Smoking(ル・スモーキング)」を発表。女性用のスーツがファッション史に名を残すこととなった。
タキシードはもともと、葉巻を吸う男性たちが煙から衣服を守るために羽織っていたものだった。だが、サンローランの「ル・スモーキング」は男性のタキシードをそのまま女性向けにしたものではなく、女性の体に合わせて作られたものであり、大胆な「ステートメント(声明)」だった。イヴ・サンローランはこのスーツについて、次のように語っている。
「タキシードは常にスタイリッシュであり、女性にとっても欠かせないものです。流行の服ではありません。流行は消えていくものですが、スタイルは永遠です」
一方、1994年から2004年までグッチのクリエイティブ・ディレクターを務めたトム・フォードは、1995年のウィメンズ秋冬コレクションで、「革命的な」テーラード・パンツスーツを発表した。
グウィネス・パルトロウは1996年のMTVビデオ・ミュージック・アワードに、ベルベット使ったこのスーツにシルクのシャツを合わせて出席。リラックスした雰囲気が漂う、セクシーなルックを披露した。
メラニアは「パワースーツ」で何を目指す?
メラニアがファッション界にバックグラウンドを持つことを考えれば、彼女がその選択において、最新のトレンドに影響を受けることは明らかだ。そしてまた、彼女自身が世界の舞台で表現したいと考える自らのイメージにふさわしいと思うものを選択することも──。
デザイナーのミウッチャ・プラダはかつて、次のように語っている。
「身に着けるものは、世界に向けてあなた自身を表現する手段になっています。特に人と人が瞬間的に接触するようになった現在、ファッションは瞬時に何かを伝える言語でもあるのです」


