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2025.04.04 15:30

トランプの相互関税で世界が混乱、バフェットの「関税はある程度の戦争行為」が意味すること

Monica Schipper/WireImage

「皮肉なのは」とバフェットは続ける。「保護主義はしばしば、それが保護すると主張するものに害を及ぼすことだ。それにより、米国の消費者はより高い価格を支払うハメになる。米国の製造業者は投入コストの上昇に直面する。米国の農家は輸出市場を失う。ウィル・ロジャースが言うように『われわれは世界で初めて自動車で貧民院に行く国なのだ』」

賢い資金の置き場所とは、賢い資金が流れつく場所である

貿易摩擦の高まりを受け、賢明な投資家たちは3つの重要な動きを見せている。

第一に、欧州株式、特にドイツのDAX指数や、BNPパリバのような欧州の金融機関に資金が流れ込んでいる。欧州市場はすでにかなりの景気悲観論を織り込んでおり、バリュー志向の投資家には好機が訪れている。

ドイツの多様な経済を代表するDAX指標は、米中直接摩擦に対するバッファーを維持しつつ、世界的な成長へのエクスポージャーを提供している。同様に、BNPパリバは複数の地域で金融サービスを提供しており、地域経済の混乱に対する自然なヘッジを提供している。

第二に、中国株は適切なリスク許容度を持つ人々にとって魅力的な価値を提供している。かつての投資格言は「ABC(Anywhere But China、中国以外)」だった。今日の逆張り投資家は、この言葉を翻している。ABCは今や、「All Bets on China(みなが中国に賭けている)」の略となった。ガバナンスに対する懸念は依然としてあるが、中国の国内消費に貢献する企業は、国際的な情勢に関係なく成長を続けるだろう。

第三に、そしておそらく最も重要なことは、金への関心が再び高まっていることだ。ウィル・ロジャースがかつて口にしたように、「お金を2倍にする最も手っ取り早い方法は、半分に折って後ろポケットに入れることだ」。金や現金は、生産的な投資が逆風に直面したときに資本を保全する方法として注目されている。

貿易摩擦がエスカレートし、市場のボラティリティが高まる中、バフェットの視点は、政治的な虚勢に対して冷静な反論を提供する。バフェットのメッセージは明確である。最も賢明な道は、必然的に正気に戻るのを待つ間、防衛的なポジショニングをとることかもしれない。

歴史が繰り返し示してきたように、他の人々がパニックに陥っても理性的であり続ける人々、あるいは、バフェットの有名なアドバイスのように、「他人が貪欲なときは恐れ、他人が恐れているときは貪欲であれ」という姿勢を持ち続ける人々には、やがて市場が報いることになる。今日はおそらく、その両方を慎重に行う必要があるのだろう。

ディスクロージャー:筆者は本稿で言及した銘柄のポジションを保有している、または保有していたことがある。本記事で述べられている見解は、あくまでも筆者の見解であり、投資アドバイスとして受け取られるべきものではない。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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