規模は小さいけれど大きな価値をもつ企業「スモール・ジャイアンツ」。『Forbes JAPAN 2025年4月号」では、この革新的な中小企業を特集した。
それに先立って、昨年11月に行われたグランプリを決めるスモール・ジャイアンツ アワードのピッチイベントは、羽田空港内にあるTIAT SKY HALLで開催された。客席には、全国からファイナリストの応援団など200人ほどの観客が駆けつけた。
会場を唸らせたのは、各社が紹介する独自の技術や海外展開、そしてどんでん返しのようなストーリーだ。窮地に陥った彼らがいかにして困難な状況を突破したか。その話に会場は何度も拍手で応えていた。また、養殖の「熟成」マダイという新分野で世界市場を開拓する赤坂水産の赤坂竜太郎は、醤油麹を添えたマダイの刺身を配った。審査員からは「美味しい」という声が上がる一方で、海外で繊細な味の白身魚をどう広めるかについての議論が展開された。
社員の平均年収が2000万円超のエリジオンの小寺敏正は、「優秀な理系人材が幸せに働ける技術者の理想郷を目指す。すべての人は人生の主人公。会社のために犠牲になっていいわけがない」と力をこめると、共鳴した審査員が目を潤ます場面もあった。
ピッチの他に行われたのが、2021年の受賞者である木村石鹸工業の木村祥一郎と高山医療機械製作所の高山隆志によるトークセッション「目指せ200年!歴代の受賞企業に聞く長く稼ぎ続ける企業になるための分岐点」だ。受賞後、木村は書籍を執筆出版し、高山は海外展開の拡張だけでなく、新工場を設立。活躍が続いている。
今回は社会的な影響力が大きい2社がグランプリ受賞となった。日本熱源システムの原田克彦は、「フロンガスからの転換は人間が長くこの地球で繁栄して行くためには非常に重要なこと。これからはスモールの範囲ではなく、どんどん発展していくことで恩返しができるのではないか」と語り、クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之もこう語った。
「クリエイティビティは国力。北海道からクリエイターを育て増やしていきたい」
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