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2025.04.05 11:15

令和の家事事情、完璧主義ではなく「ほどほど」スタイルへ

Getty Imags

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「家事はきっちりやるべき」という考え方はこの10年で10%以上減少していることが花王の調査でわかった。同期間に40〜50代では約175万人、60代以降でも約140万人の女性の就労者数が増加し、家庭の状況も変化している。

かつては「主婦の仕事」とされてきた家事だが、今では夫婦共同で行う「シェア」の意識が高まるとともに、完璧を求めない「ほどほど」の家事観が浸透しつつある。家電の活用や外部サービスの利用なども増え、家事との向き合い方は大きく変わりつつある。現代の家事事情と男女の意識の変化を見ていこう。

家事を取り巻く環境が大きく変化

花王株式会社が実施した「生活者の暮らしに関わる意識と行動調査」によると、この10年間で家事に対する意識や行動に大きな変化が見られることが明らかになった。

背景には女性の社会進出や働き方の多様化がある。2024年内閣府の調査では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考えに反対する人が65%に達しており、従来の性別役割分担の意識は崩れつつある。

また男性の育児休暇取得率は3割を超え、保育園の送迎をする男性の姿も珍しくなくなった。こうした社会変化を受け、家事の在り方そのものが変わりつつある。

「きっちりやるべき」から「無理しない」へ

調査によると、「家事は手間ヒマがかかっても、きっちりやるべきだと思う」という考え方は、この10年で男女ともに10%以上減少。女性では50%から34%へ、男性では63%から49%へと大幅に低下している。

同様に「家事や育児のためには、自分の自由な時間が犠牲になるのもやむを得ない」という考え方も、女性で68%から52%へ、男性で64%から54%へと減少した。家事に対する義務感や完璧主義的な意識が薄れつつあることがわかる。

その一方で「家事は多少お金をかけても、時間や手間を軽減したい」という考え方は、20〜30代では男女ともに増加傾向にある。特に20代では59〜60%と高い割合を示しており、家事効率化への関心の高まりが見られる。

 

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文=池田美樹

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