増える「家事好き男性」
家事や育児の負担を減らすため、家族で分担する意識は男女ともに高まっている。この10年で女性の家事時間は平日で17分、休日で10分短縮された一方、男性は平日で18分、休日で27分増加している。

特に変化したのは、男性の家事への意識だ。「自分は家事に向いている」と感じる男性はこの10年で増加し、特に20〜40代では男性が女性を上回るようになった。また「家事には自分なりのやり方やこだわりがある」「家事をすることで家族に喜ばれたい」と感じる男性も増えている。

「好き・楽しいと感じる家事」の調査では、「食事の後片付け」(女性9%、男性21%)、「ごみ出し」(女性7%、男性22%)、「部屋の掃除」(女性15%、男性25%)など、男性の方が女性よりも高い項目もある。これは若い世代を中心に幅広い年代で見られる傾向だ。

ある30代男性は「結婚したとき、料理以外は妻より経験値が高かった。『タスク』と思ってやっているが、ひとり暮らしの時からの掃除のやり方があり、きれいになると『爽快感』を感じる」と語る。
「ほどほど」に家事をこなす新たな価値観
調査結果から見えてくるのは、家事に対する日本人の意識と行動の大きな変化だ。かつての「主婦の仕事」「家事は完璧にやるべきもの」「自分の時間を犠牲にしてでもこなすべきもの」という価値観から、「夫婦や家族で協力」「無理せず効率的に」「時には外部サービスも活用」という新たな家事観への移行が進んでいる。
この変化は、「ほどほど」に家事をこなすという新しいライフスタイルが浸透しつつあるということだ。
物質的な豊かさよりも生活の質や時間の豊かさを重視する方向へと、日本社会そのものの価値観が変化していることが、家事への意識にも表れているといえる。
【調査概要】
「生活者の意識と行動に関するインターネット調査」
2024年5月/首都圏在住20〜60代男女既婚男女各500人
「生活者の暮らしに関わる意識と行動調査」
2014年9月、2024年9月/インターネット調査/首都圏在住20〜60代既婚男女/2014年 1796人、2024年 1811人


