「Soraは誰にでも直感的に使えるように設計されたAIツール。一方で、クリエイターがSoraを使って本当に特別なものを生み出したいと考えるのであれば、やはり相応の試行錯誤とセンスが必要だと実感している」(Shy Kids/Walter Woodman氏)
Soraがシンプルで使いやすいからこそ、クリエイターの「持ち味」もストレートに反映される。「だからこそSoraは魅力的なクリエイティブツールなのだ」とshy kidsのメンバーは口を揃えた。
開かれたユーザーコミュニティをさらに拡大する
OpenAIのマンスール氏は、Soraのプレビュー版を公開した頃から多くのクリエイターのフィードバックを得て、短期間の間にSoraをブラッシュアップできたと振り返る。クリエイターがSoraの開発チームに対して感想と要望をオープンにぶつけられるコミュニティをつくることにマンスール氏は注力してきたという。
OpenAIの中には25人前後により構成されるSora専任のメンバーがいるという。主にプロダクト開発に関わるサハイ氏のチームと、マンスール氏のようにアーティストプログラムを担当するメンバーどうしが密接に連携しながら、最良のユーザー体験をすばやく形にする体制が整っている。
ユーザーとのコミュニケーションの密度は今後もさらに高めていく。例えばSoraによって生成される動画コンテンツの「テイスト」については、米国内も含む世界各国のユーザーからさまざまなリクエストが寄せられるという。「多様なクリエイターの期待に応えるSoraとして動画生成の能力はこれからも成長を続けます。日本を含む、世界中のSoraのユーザーから寄せられる要望を汲みながらローカライゼーションにも力を入れたい」とサハイ氏は今後に向けた展望を語った。
現在、SoraはChatGPTの有料サブスクリプションプランであるPlus、またはProの中に含まれている。サハイ氏は「今後、Soraをより多くのユーザーに楽しんでもらえる環境を整えたい」とも話していた。将来にはChatGPTの無料プランでもSoraの一部の機能が提供されるのだろうか。これからの展開にも目が離せない。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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