創作のインスピレーションをすばやく、直感的に形にして、そこからさに深く掘り下げられるユーザーインターフェースの魅力については、今回筆者がインタビューした3組のクリエイターが揃って指摘した。
Sora Selectに参加したReza Sixo Safai氏は映画監督、俳優、脚本家として活躍する米国のクリエイターだ。Safai氏はSoraのテキストプロンプトを独自の方法で巧みに使いこなしている。

「Soraで生成するショートムービーのため、入念に練った『ミニ脚本』のようなプロンプトを事前に準備します。カメラワークから照明の位置、カメラのレンズの指定まで、あらゆる要素を具体的に記述すると、とても長いプロンプトもSoraが賢く理解して、私が期待したどおりの動画作品を生成してくれます。おそらく初めてSoraを使う方はもっとシンプルなプロンプトを書くと思います。それでも十分に楽しめますが、これから本当に熱を入れてSoraを使いこなしたいと考えているクリエイターは、より具体的にプロンプトを書き込むことで本当にすばらしい成果が得られると思います」(Safai氏)
shy kidsは、カナダのトロントに在住する3人の友人が結成したミュージックバンドから発展したクリエイティブチーム。Sora Selectに出品したショートムービーは、メンバーのMattが作曲した『my love』からインスピレーションを受けた「2匹のマカク猿が恋に落ちる」というテーマのミュージックビデオだ。AIツールであるSoraを活用した理由は「現実には実現することが難しい、猿を主人公にしながら演出を加えたフォトリアリスティックなムービー」の撮影を実現するためだったという。メンバーのWalterはSoraによる創作を振り返りながら動画生成AIツールの可能性を次のように語っている。
