アマゾンが2014年から提供するパーソナルアシスタントのAlexaを刷新した。先端の生成AIテクノロジーとベースとする「Alexa+(アレクサ プラス)」は、今後数週間以内に米国から英語でサービスを開始する。Alexa+は自然会話によるAIチャットが楽しめるだけでなく、今後何千ものサービスやデバイスとつながり、ユーザーが求めるアクションを返せる。その特徴を米アマゾン本社のAlexaデバイス バイスプレジデントであるネディム・フレスコ氏に聞いた。

Alexaの知見を元にゼロから開発したAlexa+
アマゾンは10年以上に渡り築いてきたAlexaの知見を元にしながら、最新の生成AIテクノロジーを組み合わせて基礎から新しく起こしたパーソナルアシスタントだ。
最初は米国から英語によるサービスを開始する。月額19.99ドル(約2900円)のサブスクリプション料金を設定しているが、Amazon Primeの会員は追加料金の負担なくAlexa+を利用できる。
最初に対応するアマゾンのデバイスはスクリーン付きのいわゆるスマートディスプレイである「Amazon Echo Show」シリーズだ。日本未発売の21型モデルのほか15型、10型、8型の現行モデルが含まれる。Alexa+の多くの生成AIサービスはクラウドで実行されることから、デバイスの性能に依存するところが少ない。従ってアマゾンは「2017年以降に発売したアマゾンのAlexa搭載デバイス」にも順次Alexa+の対応を拡大する。
ユーザーがAlexa+を利用する際は、従来どおり基本は「アレクサ」とデバイスに話しかけてから音声によるリクエストを送信する。言語は英語に限られるが、まるで人間と話しているかのようにAlexa+はパーソナルアシスタントと自然な会話が交せる。
また、デバイスの言語設定を英語に設定しても、ユーザーがそのデバイスを日本国内で使う限りAlexa+は起動できない。Alexa+の多言語・多地域対応については今回の発表時点ではまだ明らかにされていない。
筆者は米国・ニューヨークでアマゾンが開催したAlexa+の記者発表会に参加した。発表会とフレスコ氏へのグループインタビュー、ならびにハンズオンデモの会場で取材してAlexa+についてわかった詳細を報告する。
生成AI技術の急速な進化がAlexa+の誕生を促した
Alexa+は、AWS(Amazon Web Service)が膨大なデータセットに基づくトレーニングを重ねて開発した基盤AIモデルのAmazon Novaと、そのハブ的プラットフォームの役割を果たすAmazon Bedrockを起点に開発された。