将来の展望
今後の金利見通しは不透明であり、経済成長、労働市場、インフレの先行きに大きく左右される。インフレに大きな進展があれば、FRBは5月FOMCか6月FOMCで利下げを検討する可能性もある。
CMEのFedWatchツールによると、5月の会合でFRBが0.25%の利下げを実施する確率は、20日午後5時37分(米東部時間)現在で14.9%だ。一方、金利を据え置く確率は85.1%とされている。
6月の会合での利下げの確率はかなり高く、CMEのFedWatchツールでは20日午後5時37分(米東部時間)現在、0.25%の利下げの確率は62.5%、0.50%の利下げの確率は10.1%とされている。一方、利下げが行われない確率は27.4%だった。
2025年を通して見れば、FRBが利下げに踏み切る可能性は高い。しかし、堅調な労働市場と、高水準を維持するインフレ率がFRBの利下げを妨げる潜在的な障害であり続けている。
今後のFRB政策が市場に与える影響
金融市場の動きはFRBの政策に大きく左右される。金利の変動は、為替レート、債券市場、株式、民間企業の事業評価、工業製品価格に影響を与える。
FRBが市場の予想より早く、あるいはそれ以上に利下げを実施すれば、債券、株式、工業製品価格が上昇する一方で、ドルは下落する可能性が高い。しかし、FRBがしばらくの間利下げを見送ることになれば、主要通貨に対してドル高が進む可能性がある一方、株式、債券、工業製品価格は下落圧力を受ける可能性が高い。
FRBは今後の道筋を描こうとする一方で、インフレ率の上昇、景況感の低下、経済成長率の下振れリスクなどの存在により、彼らが景気後退を防ぎ、消費者インフレの加速を妨げるような方法で舵取りをすることを難しくしている。