WOMEN

2025.03.25 13:30

ジェーン・スー×金承福が語る「ちゃんと自問自答してる?」

金承福(写真左)・ジェーン・スー(同右)

「大丈夫、できるから」

──おふたりが自分の意思に目を凝らしてキャリアを歩まれてきたのがよくわかったのですが、周囲からの反対や冷笑をどんなふうにはね返してきたのでしょうか。

金:はね返すというより、やりたいからやってしまうという感じで。

スー:私も、「はね返す」という言葉がピンときません。キャリア構築において、誰かにとやかく言われた記憶がなくて。他人の話を聞いていないだけかもしれませんが。

金:「無謀だよ」と言われたとしても、その人は自分の人生に責任をもってくれるわけじゃないですからね。

スー:聞いたふりが役に立つこともありますが、9割は聞かなくていいんじゃないかな(笑)。逆に、他人の言葉に影響されてしまう人は自分の内面にとことん向き合ったほうがいいかもしれない。「なんでモヤっとしたんだろう?」と徹底的に自問自答するのが私は好きです。私も30代のころは、他人を詰めるばかりで自分をちゃんと詰めてこなかったんですけどね。

金:自分の気持ちや意見がちゃんとわかってるってすごく大事ですよね。私は社長やプロジェクトリーダーという立場なので、「この案どう思いますか?」と意見を求められる機会がたくさんあるんですよね。そのとき、私はよく「あなたはどう思うの?」と聞き返します。しっかり考えている人とは建設的な話ができますが、まだ不明瞭な場合は「少し考えて、もう1回やり直しましょう」と声をかけます。仕事以外も同じで、何事も自分で考えて「案」をもったほうがいい。それがないと、人に聞いても意味がないし、ちゃんと考えれば絶対にアイデアは出てきますから。

スー:面倒くさいけど、自分のことをちゃんと突き詰めて考えるのは怠らないほうがいいです。大事なことを人に決めてもらうのは、本当に良くない。

働くのがあまり得意じゃないし、バリバリやりたいわけではない、という人もいると思います。でも、もしあなたが仕事を頑張りたいForbes読者ならば、送るメッセージは「言い訳するな、とにかくやれ」です(笑)。ちゃんとした関係性がないとハラスメントになりかねない言葉なので、注意が必要だけど、何かしらのやりたいことがある人にはやっぱり伝えたいんです。「大丈夫、できるから」って。みんな、それぞれいろいろな悩みや、事情があると思う。でも、今の自分の可能性にストッパーをかけているのは自分かもしれないから。それを一個ずつ力ずくで外していくのが、人生のミッションなんだと思います。

じぇーん・すー◎コラムニスト、ラジオパーソナリティ。1973年、東京都生まれ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で第31回講談社エッセイ賞を受賞。ほか『生きるとか死ぬとか父親とか』『おつかれ、今日の私。』『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』など著書多数。2025年、新刊『へこたれてなんかいられない』刊行。
じぇーん・すー◎コラムニスト、ラジオパーソナリティ。1973年、東京都生まれ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で第31回講談社エッセイ賞を受賞。ほか『生きるとか死ぬとか父親とか』『おつかれ、今日の私。』『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』など著書多数。2025年、新刊『へこたれてなんかいられない』刊行。

文=清藤千秋 企画・編集=南 麻理江(湯気) 写真=マーティン・ホルトカンプ

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