ワークショップ後は、参加者の90%が「継続を希望する」と回答。「業務上の会話ではみられない、抽象的なことを話す場は新鮮だった」「他者の様々な視点を知り、それと自分の視点を対比することで、自分の特性を知ることができた」という声は、自ら手を動かし、表現することが、新しい気づきや対話を生むことの証明といえるだろう。
これらがすぐに事業や業績に反映されるとは限らないが、担当者は、「個人の思考回路に働きかけることを目的としていたが、結果として『組織全体の風土変革』や『イノベーション創出の文化醸成』につながる兆しが見えた」とコメント。社内でも期待以上の反応で、継続の承認も取れたという。

NCARとしては、2025年度に、金沢の国立工芸館とも「企業・団体向けプログラム」をスタートする予定だ。美術館を活用したプログラム、同時にその事例の共有が増えていくことが、「何をすればいいか」と悩む企業の後押しとなる。ひとつひとつの取り組みが束となって、アートとビジネスの循環を加速させることにも期待したい。