バー、レストラン、カフェから美容院、スパ、ガソリンスタンドに至るまで、地元のビジネスを発見するためのオンライン・プラットフォームであるYelpの株価(ティッカーシンボル:YELP)は、直近1カ月で16%安の34ドル前後となっている(米国記事執筆現在)。これはS&P500種株価指数の3%下落率を上回る。
過去4年間におけるYelpのパフォーマンスは、S&P500と比べ変動が大きかった。Yelpの年間パフォーマンスは、2021年に11%、2022年にマイナス25%、2023年に73%、2024年にマイナス18%だった。
Yelpが先日発表した2024年度第4四半期(Q4)決算は市場予想を上回る内容で、純収益は前年同期比6%増の3億6200万ドル(約539億円)、EPS(1株あたりの純利益)は前年同期比68%増0.62ドルとなった。EPSの市場予想は0.53ドルだった。しかし、同社は2025年度の業績見通しについて、マクロ経済の不確実性、レストラン・小売・その他の部門(RR&O)において継続的に直面している経営課題を理由に、慎重な見通しを示した。
同社は2025年度の業績見通しにおいて、収益が14億7000万ドルから14億8500万ドル(約2190億円から2210億円)の範囲、調整後のEBITDAは3億4500万ドルから3億6000万ドル(約514億円から540億円)の範囲になるとの予想を発表した。2024年度の実績は、収益が14億1000万ドル(約2100億円)、EBITDAは3億5800万ドル(約534億円)だった。この業績見通しにおいて同社は、マクロ経済や競争上の課題がある一方で、好調な広告事業やAIを活用した機能強化による利益率改善を示している。
2024年度の通年において、Yelpの収益は前年比6%増となったが、これは主に広告収入が6%増えたことによる。サービス部門は、広告収入が前年比11%増の8億7900万ドル(約1310億円)に達し、重要な役割を果たした。この増加は、同セグメントがYelpのビジネスモデルに不可欠な貢献をしていることを浮き彫りにしている。さらに、第4四半期にRepairPalを8000万ドル(約120億円)で買収したことで、自動車サービスの広告市場におけるプレゼンスを強化し、収益増につなげた。一方、RR&O部門は、持続的な経済圧力、消費者の消費習慣の変化、デリバリー・サービス・プラットフォームとの競争激化などにより、広告収入が3%減の4億7000万ドル(約700億円)となり、苦戦を強いられた。
Yelpは今回の決算において、広告クリック数が前年比6%増、EPSが通年で前年比39%増の1.88ドルとなるなど、大きな成果を挙げた。さらに、調整後のEBITDAは前年比8%増の3億5800万ドル(約534億円)を記録した。しかし、主にRR&Oカテゴリーの低迷により、有料広告の掲載場所の数は5%減少した。
私たちは2025年度におけるYelpの収益が前年比5%増の15億ドル(約2200億円)に達すると予想している。また、予想EPSは2.28ドル、予想PERは15.7倍で、これを基に計算した目標株価は、米国時間3月3日現在の株価とほぼ一致している。