ウクライナ東部ドネツク州の要塞都市ポクロウシク方面に対するロシア軍の攻勢は「引き続き停滞している」と、親ウクライナの調査分析グループ、コンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)は先週報告した。ポクロウシクは、そこから北へ連なる東部の都市群の防衛ラインを支える要衝だ。
CITによれば、ウクライナ軍は最近、ポクロウシクの南東数kmのあたりで反撃し、リシウカ村周辺の土地を奪い返した。その結果、ポクロウシクを防衛するための緩衝地帯が広がった。ウクライナ軍は今月、ポクロウシクの南西方面でも同様の反撃を行っている。
ロシア軍はポクロウシクから東へ約25kmのバラニウカ村方面で前進したものの、廃墟と化しているアウジーウカからポクロウシクに向かう攻撃軸は全体として失速している。この攻撃軸は1年あまりにわたってロシアの戦争計画で大きな位置を占めていた。
昨年2月、激しい砲爆撃ですでに瓦礫の山となっていたアウジーウカから、弾薬不足に陥っていたウクライナ軍守備隊をついに排除したロシア軍の「ツェントル(中央)」軍集団は、西へ約40kmのポクロウシクに向けてさらに進軍を続けた。
書類上では最低でも5万人の兵員と数千両の車両を擁するツェントル軍集団は昨年末、ポクロウシク郊外にたどり着いた。だが、そこでウクライナ軍のドローンによる正真正銘の壁にぶつかった。CITは親ロシアの軍事ブロガーらの見方として、ロシア軍の前進が鈍化したのは「ウクライナ軍が兵力、とりわけドローン部隊を一段と集中させた」ためだと伝えている。
ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領によると、ウクライナは昨年、爆発物を搭載するFPV(一人称視点)ドローンを220万機生産し、今年はそれをさらに上回る数の生産を目指している。ロシアもこうしたドローンを百万機単位で生産しているが、質はウクライナのドローンよりも劣る。
ウクライナ軍は効果的なジャミング(電波妨害)によってロシア軍のドローンをかなり阻止できているが、無線ではなく光ファイバー経由で通信する最上級のタイプにはジャミングが効かない。そこでポクロウシク方面のウクライナ軍のドローンチームは、日光を反射する長い光ファイバーケーブルをつたって操縦士の位置を突き止めるといった対処法を学んでいる。