2025年は、キャリアアップ、そして雇用の安定に関して素晴らしい年になりそうだ。少なくとも、Z世代の若者はそう捉えている。人事・採用ソフトウェア開発会社のiCIMSが新たに発表したデータによると、Z世代では実に87%が「年内に転職を成功させられる」と自信を持っている。また、今後における経済の見通しが、自らの雇用の安定にプラスに働くと考える者も45%に達した。
同様に、LinkedIn(リンクトイン)の調査では、年内に転職活動を計画している者の割合が、全従業員で58%、Z世代では69%となっている。また、Z世代の従業員の27%は、今後12カ月以内に今の会社で、昇格あるいは昇給を受けられる見込みがあると考えているという。
Z世代の回答者の3分の1以上が、自分はレイオフや予算カットの影響を受けていない、と答えており、彼らがバラ色の未来予想図を描いているのは、こうした認識も一因かもしれない。しかし、新たな仕事を実際に探し始めた者は、求職活動が思ったほど簡単ではないことを思い知りつつある。
リンクトインの最新調査結果は、「2024年に仕事を探していた者のうち5人に1人は、いまだに新たなチャンスを探している」と示しており、雇用市場が継続して低調であることがうかがえる。
雇用市場はほどなく持ち直す、との予想に反して、求職活動は、今後もそれほど楽にはなりそうにない。米国の現状を見ると、おそらく応募者が求職活動のプロセスでAI(人工知能)を活用していることに起因すると思われるが、「リンクトインで募集中の求人」1件あたりの応募数は、2022年には約1.5人だったものが、2024年の秋には2.5人にまで上昇している。
こうした要素すべてが積み重なり、Z世代の働き手にとっては寝耳に水の苦境が生まれている。コロナ禍とその後の混乱のさなかという、かなりの向かい風の中で社会人生活をスタートさせたこの世代に、さらなる苦難が降りかかっている格好だ。