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海外

2025.02.12 09:30

「持続可能な航空燃料」で注目の香港企業エコセレス、欧州でIPO視野に

Shutterstock.com

欧州連合(EU)は、今年から全ジェット燃料供給の少なくとも2%をSAFにすることを義務付けており、2050年までに最低70%に引き上げる計画だ。リーヴォネンによると、ドイツのルフトハンザ航空などを顧客とするエコセレスにとって最大の収益源は、欧州向けのSAF供給という。

SAFの難点は価格の高さ

同社はまた、米国とアジアからの需要増にも対応していく計画だ。米国はSAFの使用を義務づけていないが、環境に優しいジェット燃料に高額なインセンティブを提供している。一方、シンガポールは、2026年から出発便のSAF使用率を1%に引き上げ、2030年までに最大5%とする計画を発表している。また、香港も目標設定を表明しており、香港上海銀行(HSBC)は昨年11月にエコセレスと契約を結び、キャセイパシフィック航空の香港発便向けのSAFを購入することを決定した。

しかし、IEAによるとSAFは現状で全ジェット燃料消費量の0.1%未満に過ぎない。その普及を阻む課題の1つはコストであり、米国エネルギー省の調査によると、SAFのコストは、使用する原料や技術によっては従来の航空燃料の2倍から10倍にも及ぶという。さらに、この燃料の原料となる廃油や動物性脂肪の供給量には限りがある。

こうした課題を克服するため、エコセレスは他の原料をSAFに転換する技術の開発を進めており、有望な選択肢の1つにカリナタという植物を挙げている。リーヴォネンによると、同社はカリナタから抽出した油をSAFに変換する技術の開発に取り組んでいるという。

同社はまた、化学反応を利用してエタノールを航空燃料に転換する技術にも注力している。

「当社の研究開発チームには100人以上の専門家が在籍しており、アルコール・トゥ・ジェット技術や新たな原料の活用など、多岐にわたる研究を進めている。我々は常に先を行くことを目指している」とリーヴォネンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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