海外

2025.02.07 14:00

次世代原発の「Xエナジー」、ジョブズ未亡人の財団等から300億円調達

ローレン・パウエル・ジョブズ(John Nacion/Getty Images)

月面での使用も視野に

一方、Xエナジーは、ガファリアンが関与する他の企業と同様に、宇宙への進出を視野に入れている。同社は、ガファリアンが設立した月面着陸機メーカーのIntuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)と共同で、月面で使用可能なポータブル原子炉の開発に向け、500万ドル(約7億5800万円)の連邦助成金を獲得した。また、このテクノロジーを宇宙船の推進技術に応用することを目指している。

カリフォルニア大学バークレー校の再生可能エネルギー研究所(RAEL)所長で核物理学者のダニエル・カメン教授は、Xエナジーが「物理学の専門知識とエンジニアリングと資金力」の3つの要素を最もバランス良く備えた企業だと評価している。しかし、同教授はまた、多数のSMRを建設することが、従来型の大型原子炉を1つ建設するよりも本当に安価になるのか、また、再生可能エネルギーの価格が低下する中で競争力を維持できるのかに懐疑的だ。

「ビリオネアたちの関心の高さから、SMRはいずれ建設されるだろうし、一部の企業は大儲けするだろう」とカメン教授は述べている。しかし、その一方で同教授は、「小型炉を作れば、原子力のあらゆる問題を解決できるという考えには、私は懐疑的だ」と語った。

forbes.com原文

編集=上田裕資

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