Cashfreeの2月5日の発表によると、同社のシリーズCラウンドは、クラフトンと既存投資家の英国の投資会社Apis Partners(エイピス・パートナーズ)が共同で主導したという。Apisの投資先には南アフリカのフィンテック企業でユニコーンのTymebank(タイムバンク)が含まれている。バンガロールに拠点を置くCashfreeの評価額はこの調達で7億ドル(約1070億円)に達したと関係者は述べている。
バトルロワイヤルゲームの『PUBG』で知られるクラフトンは、インドのエンタメ分野に特化した決済システムの需要が高まっていることを理由に、Cashfreeへの投資を決定したという。「Cashfreeがインドで築いた支配的なポジションは、グローバル市場でも再現できると確信している」と、クラフトン・インディアのヒョニル・ソンCEOは声明で述べた。
今回の出資は、クラフトンがインドの成長するゲーム市場に賭ける戦略の一環だ。同社の『Battlegrounds Mobile India(BGMI)』は、インドで最も人気のあるモバイルゲームの1つで、ダウンロード数は2億を超えている。
クラフトンは、2021年以降にゲームスタジオのNautilus Mobileやeスポーツ企業のNodwin Gamingを含むインドのスタートアップに1億7000万ドル(約260億円)以上を投資している。
2015年に設立されたCashfreeは、オンライン決済の回収や送金を支援する企業で、現在80万以上の事業者にサービスを提供し、年間の決済処理高は800億ドル(約12兆1500億円)に達しているという。同社の出資元には、シリコンバレーのスタートアップアクセラレーターのYコンビネータやインド国営銀行、韓国のゲーム大手Smilegate(スマイルゲート)の投資部門などが名を連ねている。
Cashfreeは、新たに調達した資金を用いてクロスボーダー決済やユーザー認証の強化を含む決済サービスの向上を図る計画という。また、アラブ首長国連邦(UAE)への事業拡大も進めるとしている。
一方、クラフトンのCashfreeへの投資は、PUBGに依存してきた収益基盤の多様化戦略の一環だ。昨年9月に同社は、ソウルに拠点を置く短編ドラマのプラットフォームの運営元のSpoon Labs(スプーンラボ)に1200億ウォン(約126億円)を投資したと発表していた。
(forbes.com 原文)