欧州

2025.02.07 09:00

ロシアの大軍が北東部クプヤンシクを直接攻撃の構え 渡河作戦の成否が鍵に

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ロシア側が次にどう動くかは自明だ。すでに一部の部隊にオスキル川を渡らせ、ノボムリンシクとクプヤンシクの間に位置するドボリーチナ村にも潜入させているロシア軍は、この橋頭堡を拡張して防御可能な渡河地点を築こうとするに違いない。この渡河ルートは、この3年の攻防戦で破壊されているのがほぼ確実と考えられる以前の橋に代わるものになる。

ウクライナ寄りの調査分析グループ、コンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)は「ロシア軍がオスキル川の両岸でクプヤンシクに向けてさらに前進するには、この橋頭堡向けの補給線を確保することがきわめて重要になる」と指摘している

熾烈な戦いになりそうだ。ロシア軍の工兵が浮橋(ポンツーン・ブリッジ)を架設してはたちまちウクライナ軍の空軍機などに攻撃されるという光景は、過去に何度も繰り返されてきた。ロシア軍が橋を架けるのとそれをウクライナ軍が破壊するのと、どちらが早いかの競争になるかもしれない。

結果は重大なものになる。ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトは、クプヤンシクの近くに第1戦車軍の部隊を含む「相当な兵力」が集結していることから、ロシア軍はクプヤンシクに対する直接攻撃を準備していると評価している。「この規模の増強は、クプヤンシクの獲得がロシア軍司令部にとって優先順位の高い目標であることを示唆している」とも述べている。

フロンテリジェンス・インサイトは「全体的に見てクプヤンシクの状況を懸念しており、今後、急速に悪化する可能性が現実にある」と警鐘を鳴らしている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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