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DePIN、Web3を活用したインフラ構築が社会システムをかえる

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「DePINは社会に変革をもたらす力を秘めている」。そう話すのは、3Dストリーミングテクノロジーのパイオニア、Mawari創設者兼CEOのルイス・オスカー・ラミレスだ。2017年、「すべての人々に没入型体験を提供する」をビジョンに東京で創業した同社は、スマホやPCといった“枠”にとらわれないコンテンツの拡張に取り組んでいる。

2024年にはApple Vision ProやMeta Quest3が発売され、XR(拡張現実)の世界が身近になった感があるが、そのコンテンツはダウンロードが基本。3DをNetflixのようにストリーミングで楽しむには、莫大な量のクラウドサーバーと安定したネットワークが必要だからだ。

しかし、そうしたインフラ構築には巨額な設備投資と長い時間がかかる。コンテンツがないからインフラが拡充しないのか、インフラ不十分でコンテンツが増えないのか、にわとりたまご状態でAWSなど大手はその投資に踏み切れていない。27年からスマートグラスが本格的に広がり、空間コンピューティング(物理空間とデジタル空間をシームレスに統合する技術)の時代がくるという予測とは乖離する。Mawariでは、その課題を「DePIN(ディーピン)」で超えていこうとしている。

DePINとはDecentralized Physical Infrastructure Network(分散型物理インフラネットワーク)の略で、ブロックチェーン技術を活用して現実世界のインフラを改善していく動きだ。

例えば、送電インフラ。電柱は継続的な保守点検が必要だがそれには膨大な労力がかかる。そこで個人が電柱を撮影、写真を送信することで報酬を得て、運営側は点検を効率化するという実証実験が国内で始まっている。

「Mawariは3D配信の軽量化や効率化にDePINを活用しますが、エネルギーの最適化や気候変動の観測など、さまざまな分野で個人の力を活用できます。それにより今までと違うかたちの収入を得られる可能性もあるので、人々の生活や働き方も変えうるのでは」とラミレス。
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文=國府田 淳 編集=鈴木奈央

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