【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

欧州

2025.01.30 09:00

ウクライナ軍のレオパルト1戦車、ドローン8機の攻撃に耐える 追加装甲の有効性示す

追加装甲を施していない状態のレオパルト1A5戦車。2016年5月、ドイツ・グリメン(Filmbildfabrik / Shutterstock.com)

追加装甲を施していない状態のレオパルト1A5戦車。2016年5月、ドイツ・グリメン(Filmbildfabrik / Shutterstock.com)

ウクライナ軍のある旅団が運用するレオパルト1A5戦車は、ロシア軍のFPV(一人称視点)自爆ドローン(無人機)少なくとも8機の被弾に耐え抜いた。デンマークから供与されたこのレオパルト1はその後、さらに3機を食らって仕留められたようだ。

ロシア軍は繰り返し行ったドローン攻撃の様子を編集した動画を誇らしげに公開したが、この攻撃結果はロシア側にとって必ずしも良いニュースではないし、ウクライナ側にとって必ずしも悪いニュースでもない。
ウクライナ軍は、1980年代に開発されたレオパルト1A5をドイツ、デンマーク、オランダのグループからまとまった数受け取るまでに1年以上待たされただけに、その一両を失うのは痛手だ。一方で、このレオパルト1A5が、ロシア軍の自爆ドローンによるかなりの数の連続攻撃を生き延びたという事実は、戦車の装甲を強化するウクライナの取り組みが功を奏していることを示唆する。

重量約42t、乗員4人のレオパルト1A5は、信頼性の高い105mm主砲、高精度の射撃統制システムなどを備えた、高速で機動力の高いドイツ製戦車だ。最大の弱点は装甲の薄さで、最も厚い箇所でもわずか70mmしかない。より新しいレオパルト2A4戦車に比べると防護力は4分の1ほどにとどまる。

ドイツなど3カ国が供与を確約しているレオパルト1A5少なくとも155両のうち、最初の数両が2023年後半にウクライナに届くと、ウクライナはただちにこの戦車の最大の欠点に対処する作業に取りかかった。ウクライナ軍のある戦車兵は同年12月、地元テレビ局ICTVのインタビューで「装甲を補強するという問題はウクライナの技術者によってすでに解決されつつあります」と語っている

ウクライナの技術者や整備兵らは、被弾すると外側に爆発して弾頭をそらす爆発反応装甲をレオパルト1A5に何重にも施した。さらに、自爆ドローンを衝突前に捕捉できるように、ネットを被せたスクリーンも取り付けた。
次ページ > 追加装甲で対ドローンの防御力はある程度は高まる

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事