ヘルスケア

2025.01.18 12:00

「たばこを1本吸うごとに寿命が20分縮まる」可能性 英研究

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たった1本のたばこが寿命に及ぼす影響

ジャクソン主席研究員率いるUCLの研究チームは、過去数十年にわたる大規模な2件の調査(「英国医師調査(BDS)」と「100万人の女性調査(MWS)」)から得られたデータを基に結論を導き出した。BDSでは1951年の開始以降、数千人の医師を対象に喫煙が及ぼす影響を観察した。一方のMWSは、1996~2001年にかけて募集された英国に住む女性130万人を対象に、健康状態を追跡調査したもの。UCLの研究チームは両データを照合し、たばこ1本当たりの平均的な影響を割り出した。

「たばこ1本が寿命を何分間縮めるのか」という指標は、喫煙が長期にわたって及ぼす累積的な影響を考慮しておらず、やや大ざっぱな数字だ。とはいえ、今回の研究の結果は、喫煙が健康上のさまざまな部分に深刻な影響を及ぼすことを示している。実際、今回の調査では過去の研究で示された結果より、たばこが寿命に及ぼす影響がはるかに大きいことが明らかになった。英医学誌「BMJ」に2000年に掲載された先行研究では、1本のたばこが寿命を平均で11分縮めるとされていた。

たばこをやめるには?

ジャクソン主席研究員は、喫煙者がたばこの本数を徐々に減らし、最終的に完全に禁煙するための各種製品が入手可能だとしている。今回の研究が行われた英国では、NHSがニコチン代替療法などを通して国民の禁煙を促している。

米国では、疾病対策センター(CDC)を通じて電話やオンラインによるカウンセリングや助言などのサービスを利用できる。ニコチンを含有するガムや錠剤、パッチなどの製品は市販されているが、吸入器や点鼻剤には処方箋が必要となる。こうした製品は、禁煙中の人にたばこの代わりにニコチンを供給することで、禁断症状を和らげる効果がある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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