なぜ月到達まで4~5カ月かかるのか?
レジリエンスが月に到達するまでに4~5ヵ月かかるのは、低エネルギー遷移軌道という特殊な軌道に投入されるためだ。ロケットから分離されたレジリエンスは現在、地球周回軌道を航行している(地球軌道フェーズ)。それは長楕円軌道と呼ばれるもので、地球からもっとも離れるポイント(遠地点)では、月の公転軌道よりも遠方に達する。その軌道を1ヵ月ほど航行する間に月が近づくのを待ち、月に出会うとその重力を利用して軌道を変更し(月フライバイ)、低エネルギー遷移軌道に入る(遷移フェーズ)。
その軌道はさらに大きな楕円を描きながら、月と地球の距離(平均38万4400km)よりも2.6倍ほど遠いポイント(地球から100万km)に到達するが、地球と月、そして太陽の重力によってレジリエンスは引き戻される。その帰り道で機体は再び月に出会い、その重力に捕らえられて月周回軌道に入る。
ロケットの力だけで月への最短距離を飛べば3~4日で月に到達するが、それには膨大なパワーが必要であり、推進剤を多く搭載することになる。しかし、月の重力を機体の推進力として利用するこの低エネルギー遷移軌道をたどれば、時間はかかるものの、少量かつ軽量な推進剤で月に到達できるため、その分、より重いペイロードを月へ運ぶことができる。


