働き方

2024.11.06 11:00

オードリー・タンが語る「頭の中」、大人でもまねできる働き方と学び方

「明日はもっと良くなると信じて、次世代が各々の可能性を存分に発揮できるものやシステムを残すことが私たちの使命だ」とオードリー・タン氏はいう

生成AIに関連するテクノロジーも、2年前には今ほど注目されていなかった。オードリーは今では自分のワークフローをさらに改善するために生成AIも役立てていると話している。
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「AIテクノロジーは、人と人とによるコミュニケーションを円滑にするために有意義な役割を果たしていると感じます。このオンラインミーティングで、私やみなさんが使用しているバーチャル背景もまた、AIによる画像加工の技術を活用することで参加者どうしの親近感を深めることに貢献しています」

オードリーは常日頃から、「AI」とは人々の豊かな生活を支える「Assistive Intelligence(支援的な知能)」であるべきという持論を説いている。Assistive Intelligenceには、従来のAuthoritarian(権威主義的)なテクノロジーに取って代わる豊かな可能性がある。人が持つ感覚を研ぎ澄ますAI、あるいは力を与えるAIにオードリーはいつも高い関心を寄せている。

Assistive Intelligenceの有望な事例として、オードリーは日本のAIエンジニアである安野貴博氏が推進する「ブロードリスニング」にいま注目しているという。安野氏はブロードリスニングの特徴ついて、AIで多くの声を収集しながら「見える化」できるテクノロジーであると説いている。先に実施された衆議院選挙の際、安野氏の研究開発チームと日本テレビはX(旧ツイッター)の投稿をブロードリスニングによるAI解析を活用しながら、選挙に関連するインターネット上の声を可視化する試みを実施した。
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米国のCortico(コルティコ)も、独自にブロードリスニングを研究する新鋭のスタートアップだ。Corticoの開発したブロードリスニングのプラットフォームは、2021年に米国ボストン市長の選挙の際に出馬したミシェル・ウー氏が、有権者の民意を集めるために活用したこともある。現在はオードリーもCorticoのテクノロジーアドバイザーとして関わっている。

SNSなどから集まる発言者の言葉に不要なバイアスをかけることなく、純度の高い解析をかけながら重要な「声」を分類・要約する。AIが人と人によるコミュニケーションの架け橋になり、合意形成と共好を導き出せる技術になれば「Assistive Intelligence」の未来に明るい展望が開けてくる。
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編集=安井克至

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