イタルマス/イズデリエ54は中国DLEエンジン(弥勒浩翔科技)製の60ccのDLE60型エンジンを搭載している。ホビー用ドローンで人気のこのエンジンは、シャヘドに搭載されているMD550エンジンの10分の1程度のパワーしか出ない。この点も、イタルマスは、ドローンの飛来数を増やして防御側を混乱させるための、より軽量・安価で小型弾頭のドローンだという印象を強める。
シャヘドの姉妹機「ゲルベラ」
7月、ロシアの新型ドローンとされる画像がソーシャルメディアで共有された。これもシャヘドより小さく、従来型の尾翼だが別の構成になっている。より詳しい情報は同月その後、ロシアの「スターリンのハヤブサ」と呼ばれるグループが公開した動画で明らかにされた。それによると、名前はこれも花にちなんだ「ゲルベラ」(ロシア語で「ガーベラ」)で、自爆攻撃のほか偵察任務とデコイ(おとり)任務にも使えるという。機首にカメラを搭載しており、動画では目標まで視覚誘導できるようだ。
An unknown UAV, whose wreckage was found in Kiev and which appeared in the "Alabuga Polytechnic" video, turned out to be a certain "Gerbera" developed by the N. F. Gastello Design Bureau, equipped with a camera.
— MD (@distant_earth83) July 28, 2024
As reported in a newly released video, the "Gerbera" can be used in… pic.twitter.com/XK8j7yZpYq
スターリンのハヤブサの動画でゲルベラはシャヘドの「妹」と説明されていて、弾頭がシャヘドより小さいことを示唆している。弾頭や航続距離などの詳細は不明だが、鹵獲機が撃ち落とされた場所はキーウ郊外だったということなので、少なくとも数百kmは飛行できるはずだ。ウクライナの情報筋は主な任務はデコイだろうと推測している。