宇宙

2024.09.14 17:00

まもなく到来、「秋分のオーロラシーズン」に備えよう 

米オレゴン州のコロンビア川峡谷上空を染めるオーロラ。2024年5月11日撮影(Mathieu Lewis-Rolland/Getty Images)

「Equinoctial Effect」とは

地球は巨大な磁石だ。地球の磁場の影響が強く及んでいる宇宙空間を磁気圏と呼び、そこには磁石と同様に南北の磁極がある。太陽の磁場にもS極とN極があり、太陽大気から放出されたプラズマの流れである太陽風にも磁場の向きがある。
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分点の日には地球の磁極が太陽風の吹いてくる方向に対して垂直になり、地球の磁場が弱まるため、通常時なら磁気圏の境界で弾かれるはずの太陽風のエネルギー粒子が磁気圏内に入り込んでくる。この結果、弱い磁気嵐でも壮大なオーロラの引き金になるのだ。だが、それだけではない。

図解:太陽風と地球の磁気圏(Shutterstock.com)

図解:太陽風と地球の磁気圏(Shutterstock.com)

「ラッセル・マクフェロン効果」とは

これは米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者2人が1972年に発表した論文で提唱した理論で、「地磁気活動の半年ごとの変化」を通じてオーロラが3月と9月に多く報告される理由を説明しようとしたものだ。

この理論によると、すべては磁気リコネクション(磁力線再結合)に関係しているという。磁気リコネクションとは、互いに逆方向を向いた磁力線が接触し、つなぎ変わる現象である。春分・秋分に地軸が太陽に対して垂直になると、太陽風と地球の磁場の境界で磁気リコネクションが起こりやすくなる。
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磁気圏境界で磁気リコネクションが起こると、磁気圏に「亀裂」が生じた状態になり、より多くの太陽風エネルギーが磁気圏に取り込まれる。取り込まれたエネルギーは地球の磁力線に沿って地球の極へと向かう。太陽活動によって引き起こされる磁気嵐は、理論上、春分・秋分の前後に通常よりも激しくなる。

この影響は春分・秋分の日の約10日後まで遅れて生じる可能性が指摘されており、10月上旬はオーロラが発生しやすい時期となる。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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