欧州

2024.08.22 17:30

ウクライナ軍、セイム川南岸への地上攻撃うかがう ロシアの現地部隊は孤立

とはいえ、クルトフが浮橋を見つけられたとすれば、当然、ウクライナの情報部門もそれを見つけられていた。ウクライナ軍のFPVドローンは、ロシア軍の架橋部隊の一部を道路を移動中に迎撃したほか、架橋現場でポンツーンをクレーンで吊り上げたり、川に浮かべたりしていた部隊もピンポイントで攻撃した。

ウクライナ軍の攻撃で最も劇的だったのは、米国製の高機動ロケット砲システム(HIMARS)から発射されたM30/31ロケット弾が、浮橋のひとつに数百発の擲弾サイズの子弾を浴びせたものだったかもしれない。

ウクライナのシンクタンクである防衛戦略センター(CDS)は21日の作戦状況評価で、ウクライナ軍は「グルシュコボ方面の作戦地域の西側で浮橋や工兵機材を攻撃した」と報告している。

CDSは、ウクライナ軍は「この方面の部隊の作戦展開で敵のペースを上回る」ことを目指しているとも解説している。そこで鍵を握るのが橋の破壊だ。橋をつぶせばロシア側は一帯に簡単に入れる経路を失い、ウクライナ側は越境して侵入できる状態になる。

ロシア側は防空面の状況をより安全にできれば、ヘリコプターを飛ばして空から現地の部隊に補給や増援を行えるかもしれない。しかし、ウクライナ側は一帯の上空からロシア軍機を事実上排除している。

今月6日の侵攻開始以来、ウクライナ軍は地対空ミサイルよる迎撃やFPVドローンの体当たりによって、クルスク州でロシア軍のヘリコプター数機を撃墜している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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