欧州

2024.08.19 11:30

ウクライナのクルスク侵攻、宣伝戦でもロシアに痛撃 歴史的大失態を隠しきれず

ロシアの政権が唱導するストーリーは常に、旧ソ連圏を再統合したいというプーチンの願望を含め、ロシアのイデオロギーを支持するものになっている。

キルシュナーは、ロシアの政権によるプロパガンダは「ロシアがこの80年ほどの間に受けた最も大きな侵攻のひとつであらわになった弱点を隠すために、ソーシャルメディア上で引き続き拡散していくでしょう」と予想する。

エコーチェンバーを食い破る現実

とはいえ、クルスク州の町や村にウクライナ国旗が翻ったり、ロシア国内で捕虜になったロシア人を乗せた車列がウクライナに連れて行かれたりする画像に、ロシアの政権が対抗するのは難しいかもしれない。

キルシュナーは、こうした画像のようなコンテンツが「ロシア中心のエコーチェンバー(似たような意見ばかりが入ってくる現象)をどのくらい突破できるかはまだわかりません」としながらも、「ロシアがボット(自動投稿するプログラム)やコンテンツファーム(大量に生成される質の低いコンテンツ)を隠れ蓑にするのはますます難しくなっていくでしょう」と述べている。

「ロシアのメッセージと矛盾する映像や写真がこれらのプラットフォーム上に流入してくるにつれて、エコーチェンバーが破られる可能性は高まります。したがって、この戦争には少なくとも2つの正面があります。クルスク州の戦域と、ソーシャルメディアでのその表象です。勝者が議論の主導権を握り、両方の正面で勝てばより大きな力が生まれるでしょう」

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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